構造的把握力検査とは
構造的把握力はSPIに出てくる分野の一つです。
とはいえ、必ず出題されるとは限らず、企業によります。
物事の背後にある共通性や関係性を読み解き、構造的に理解する能力を検査するものです。
物事の本質を把握する能力を測定するために実施されます。
例えば、複雑な問題が発生した場合に、要点を抽出して「AとBが解決の糸口である」と捉えたり、異なる2つの意見から共通点を見つけて合意形成を促したりできます。
情報の全体像を客観的に理解し、分類や整理を行い、過去の経験や既存の知識と組み合わせて解決策を見つけ出す能力も、構造的把握力です。
この能力は、特に問題解決や論理的思考が求められるコンサルティングファーム、総合商社、広告代理店、不動産業界などで重視されるでしょう。
構造的把握能力検査は2種類ある?例題と共に解説!
構造的把握能力検査には、以下の2タイプがあります。
言語系
異なる内容の複数の文章を分類する問題です。
言語系の問題では、文章の前後を読み解き、因果関係や原因と推測、判断と推測、仮定などを理解して仕分ける必要があります。
例題
次のア〜オを指示に従ってXグループ(3つ)Yグループ(2つ)に分けるとき、Yグループに分類されるものを2つ選びなさい。
指示:ア〜オはある動物の特徴についての記述である。その特徴の違いをXとYに分けなさい。
(ア)この動物は四本足である。
(イ)この動物は水中で生活する。
(ウ)この動物は羽毛がある。
(エ)この動物の毛色は黒色である。
(オ)この動物は夜行性である。
この問題の解答は(イ)(オ)になります。Xのグループは身体的特徴について言及しているのに対して、Yのグループは特性について言及しています。
非言語系
類似した計算構造を持つ文章を分類する問題です。
計算の構造が似ている文章を仕分けることが求められるでしょう。
基本的な算術や決められた公式に基づいて問題を解く割合、確率などが含まれます。
ただし、単純に計算した数値を解答するのではなく、計算のプロセスが同じものを選ぶことが特徴です。
例題
次のア〜エのうち、問題の構造が似ているものを2つ選べ。
(ア)リンゴが24個ある。6人で分けると1人いくつか。
(イ)時速40kmで5時間走った。走った距離は何kmか。
(ウ)ジュースを定価の2割引の480円で売った。このジュースの定価は何円か。
(エ)1周5kmの公園を4時間かけて歩いた。平均時速は何kmか。
解答は(ア)(イ)になります。以下に解答を記載します。
<解説>
(ア)リンゴが24個ある。6人で分けると、1人当たり24個 ÷ 6人 = 4個となる。この問題は、与えられた量を等しく分けるという構造である。
(イ)時速40kmで5時間走った場合、走った距離は40km × 5時間 = 200kmとなる。この問題は、速度と時間から距離を求めるという構造である。
(ウ)ジュースを定価の2割引で売った場合、定価の80% (100% – 20%)で売られていることになる。480円が定価の80%に相当するため、定価は480円 ÷ 0.8 = 600円となる。この問題は、割引後の価格から元の価格を求めるという構造である。
(エ)1周5kmの公園を4時間かけて歩いた場合、歩いた総距離は5kmである。平均時速は総距離 ÷ 所要時間 = 5km ÷ 4時間 = 1.25km/hとなる。この問題は、距離と時間から平均速度を求めるという構造である。
(ア)と(イ)は、ある量を人数や時間に応じて分配する計算を行う点で構造が似ています。一方、(ウ)は割引価格から元の価格を逆算する問題であり、(エ)は総距離と所要時間から平均速度を求める問題で、それぞれ異なる構造を持っています。
時間がなくても構造的把握力検査で高得点が狙える
WEBテストの本番まで時間が限られている方でも、構造的把握力検査の対策ができます。
頻出問題に焦点を当てればいいのです。
これは構造的把握力に限らず、そのほかのSPIの分野でもいえることです。
書類選考を通過しても、多くの企業が実施するWEBテストで落とされることは少なくありません。
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構造的把握力はテストセンターのみで実施される
SPIのテストセンターで実施される試験内容の一部に、構造的把握能力検査があります。
現在SPIはSPI3にバージョンアップされており、構造的把握力検査は比較的新しい項目としてオプションで導入されています。
SPIテストセンターでは学生の能力や人柄を把握するための適性検査が行われ、性格検査と4つの分野の能力検査に分かれます。
構造的把握力検査はその一環であり、SPI3ではオプションとして導入された比較的新しい項目です。
この検査は、SPIを提供するリクルートマネジメントソリューションズが運営する外部のテストセンターでのみ行われ、他の受検方法では受けられません。
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WEBテストの対策に時間を割く余裕がないと、十分な対策ができずに本番に臨むことになります。
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構造的把握力検査を解く際の注意点3つ
構造的把握力検査では、言語系と非言語系の両方で文章を読み解き、問題の本質を把握する必要があります。
内容を理解すれば、難易度はそこまで高くないでしょう。
しかし、油断せずに事前の学習や問題に慣れておくことが重要です。
高い正答率を得るためには、前もっていくつかのポイントに注意する必要があります。
以下に、構造的把握力検査を解く際の3つの留意点を紹介します。
1.時間配分に心がける
構造的把握力検査は、約20分で約20問の問題が出題されます。
問題ごとに制限時間が設定されており、未解答の場合は自動的に次の問題に進んでしまいます。
前の問題に戻ることはできません。
短時間で文章を読み解き、共通性や関係性を見出す必要があるでしょう。
そのため事前の準備が欠かせません。
不正を防ぐために私物の持ち込みは禁止されているため、会場で用意された筆記用具とメモ用紙を活用することになります。
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2.過度な深読みを避ける
構造的把握力検査では、過度な深読みを避けることが重要です。
問題を深く考えすぎてしまうと時間を無駄にしてしまいます。
他の問題に支障をきたす可能性があるため、一つの問題に長く時間を費やさないことです。解答がわからない場合は、焦らずに次の問題に移ることも大切です。
慌てずに落ち着いて問題に取り組むことで、より効率的に解答を導き出せるでしょう。
3.複数の観点から問題を解く
構造的把握力検査では、複数の観点から問題を解くことが求められます。
そのため、文章の要点を把握するだけでなく、さまざまな角度から問題を分析しましょう。
問題を解く際には選択肢に固執せず、複数の可能性を考慮することが重要です。
これにより、正確な解答を導き出すことができるでしょう。
構造的把握力を突破する時のポイント
SPIに力を入れて就職活動を進めている中で、構造的把握力検査への対応に苦労することもあるでしょう。
構造的把握力は必須科目ではありません。
しかし稀に、一部の企業で追加科目として導入されることがあるのです。
もし志望する企業のSPIで構造的把握力が出題されるなら、構造的把握力で高得点をとるための対策が必要です。
ここでは、構造的把握力で高得点をとるにはどうすればいいかポイントを解説していきます
SPIの対策本を使って練習問題を解いておく
構造的把握力検査で高得点を取るために、SPIの対策本を使って問題形式に慣れましょう。対策をしないで高得点を取れるほど簡単な検査ではありません。SPIは中学生までの基本的な学力を問われることが多いものの、構造的把握力問題は、基本的な学力がある方でも高得点を取るのは難しいです。そのため、最低でも1冊は対策本を購入して繰り返し勉強をすることをおすすめします。
また、構造的把握力検査は、文章の意図を読み解く力が問われる検査であり、問題に慣れておかないと短い制限時間内に解答することは難しいです。そのため、何回も問題を解いていくことで、出題パターンの傾向を把握できるようになる必要があります。
早めに問題集に取り組み、多くの問題に触れ解答のコツを理解しておきましょう。自信を持って解けるようにしておくと、本番で落ち着いて臨むことができるため、高得点へ一歩近づくことができます。
非言語・言語の分野も対策する
構造的把握力検査で高得点を取ることも大切ですが、他の分野で点数を落としてしまうと突破するのが難しくなります。そのため、まずは非言語と言語の問題で安定して点数を取ることができるようになりましょう。
また難関企業は、SPIの言語と非言語はできて当たり前という認識でいる場合が多く、各分野でも高い合格ボーダーを引いている場合があります。他の分野でも得点を取れるよう対策を進めましょう。
せっかく構造的把握力検査で高得点が取れても、他の分野の失点のせいで評価が下がってしまうのは、絶対に避けるべきことなので、総合的に得点が取れるように、しっかり対策をしていきましょう。
まとめ
以上が、就職活動におけるSPI対策と、構造的把握力検査で高得点を狙うコツでした。
SPIは、就活生と企業が互いに相性を見極めるためのサポートツールとなります。
特に現代社会では、個性を伸ばすことや人材の多様化が重視されています。
そのためほとんどの企業がSPIを導入し、人材採用に役立てています。
ご自身に適した業務に就くためにも、ぜひ本記事をご参考にしてSPIを理解してください。