はじめに
SPIが難しそうだと感じる方は多いでしょう。
企業のうち94%がSPIを導入している現状を考えると、避けて通ることはできません。
しっかり対策しておくと困らないでしょう。
本記事では、SPIに苦手意識を持つ就活生に向けて、例題だけでなくSPIでつまずく人の特徴や攻略のコツを紹介していきます。
事前準備を万全に整えていれば、SPIに対する苦手意識を克服できるでしょう。
SPIについての理解を深めること
SPIの対策を本格的に始める前に、SPIがどんなものか理解を深めてください。
SPIの出題範囲や、複数ある受検方式について学んでおくといいです。
SPIの概要や基本的な知識を身につけておきましょう。
SPIは適性検査の一つです
SPIはリクルートマネジメントソリューションズが提供している適性検査の中の一つです。
企業のうち94%が導入しているため、就活生はSPIを受けるものとして考えておくといいでしょう。
SPIの受検方法には4つあります
SPIを初めて受ける方はあまり知らないでしょうが、SPIには受検方法があり、その種類は4つに分かれています。
どんな受検方法があるのか、下記の表にまとめてみたのでチェックしてください。
受検方式 | 特徴 |
WEBテスティング | ・企業の指定期日までに自宅などで受検する方法 |
テストセンター | ・企業からの案内に従い、テストセンターに赴いて受検する方法 |
インハウスCBT | ・企業が用意したPCで受検する方法 |
ペーパーテスト | ・企業でワークシートを使用して受検する方法 |
SPIの出題項目
SPIと一口にいっても、能力検査+性格検査に分類されます。
能力検査は知的能力を測定するために行われます。
受検者の人格や考え方の傾向、行動パターンを把握するためのテストです。
テストといっても正解はなく、アンケートのように自分のことについて答えていけばいいだけです。
能力検査には正解・不正解があるので入念な対策が必要でしょう。
能力検査の中でも、言語・非言語の問題は必ず出るので確実に練習しておいてください。
問題形式や範囲を把握しよう
SPIの能力検査では、言語・非言語・英語・構造的把握力の4つの科目があります。
といってもこれら4つの科目が必ず出るわけではなく、英語と構造的把握力はない場合が多いです。
言語と非言語の問題は共通してあるので、対策しておいて損はありません。
さらに、言語、非言語それぞれの中でもセクションが細かく分かれています。
そのセクションごとでも得意・不得意が分かれてくるでしょう。
SPIの対策としては、出題形式や範囲に慣れておくことも大切です。
受検方法によって出題範囲は違ってきますが、内容が大きく変わることはありません。
各分野の特徴を踏まえ、効率的に対策していきましょう。
言語問題の出題形式とは
以下に言語分野の出題形式をまとめているのでご覧ください。
出題形式/受検内容 | ペーパーテスト | WEBテスティング | テストセンター |
二語の関係 | 〇 | ー | 〇 |
語句の意味 | 〇 | ー | 〇 |
語句の用法 | 〇 | ー | 〇 |
空欄補充(3文) | ー | 〇 | ー |
空欄補充(3語) | ー | 〇 | ー |
空欄補充 | ー | ー | 〇 |
文節の並び替え | ー | 〇 | 〇 |
文の並び替え | ー | ー | 〇 |
熟語の成り立ち | ー | 〇 | ー |
長文読解 | 〇 | 〇 | 〇 |
言語分野では10個の出題形式があります。
そして受検方法によって出題内容が異なってきます。
非言語分野の出題形式とは
次に、非言語分野の出題形式を紹介していきます。
非言語分野には19の出題形式があります。
出題形式は下記のようになります。
出題形式/受検内容 | ペーパーテスト | WEBテスティング | テストセンター |
推論 | 〇 | 〇 | 〇 |
確率 | 〇 | 〇 | 〇 |
損益算 | 〇 | 〇 | 〇 |
場合の数 | 〇 | 〇 | 〇 |
集合 | 〇 | 〇 | 〇 |
速度算 | 〇 | 〇 | 〇 |
表の読み取り | 〇 | ー | 〇 |
長文読み取り | ー | ー | 〇 |
資料の読み取り計算 | ー | ー | 〇 |
代金の精算 | ー | ー | 〇 |
料金の割引 | 〇 | ー | 〇 |
割引の計算 | ー | 〇 | 〇 |
分割払い | 〇 | ー | 〇 |
装置と回路 | 〇 | ー | ー |
物の流れと比率 | 〇 | ー | ー |
不等式と領域 | 〇 | ー | ー |
年齢算 | ー | 〇 | ー |
整数の整理 | ー | 〇 | ー |
通過算 | ー | 〇 | ー |
公式を使って解く問題は頻出するので、公式をきちんと押さえておきましょう。
英語の出題形式とは
出題されるとは限りませんが、英語を扱っている企業なら英語の問題が出題される可能性があります。
英語の受検方法は2つしかなく、出題範囲は下記の通りです。
出題形式/受検内容 | ペーパーテスト | WEBテスティング | テストセンター |
反意語 | 〇 | ー | 〇 |
同意語 | 〇 | ー | 〇 |
空欄補充 | 〇 | ー | 〇 |
英英辞典 | 〇 | ー | 〇 |
和文英訳 | 〇 | ー | 〇 |
語文訂正 | 〇 | ー | 〇 |
長文読解 | 〇 | ー | 〇 |
英語の問題には7つのセクションがあります。
言語分野や非言語分野と違って、受検方法が異なっても出題範囲に違いはありません。
分野ごとに例題にチャレンジしてみよう
分野ごとに例題に取り組んでみましょう。
合間の時間を使ってぜひ挑戦してみてください。
言語
言語のセクションは短期間で対策を完璧にするのは難しいです。
そのため、繰り返し何度も問題を解きながら実力を養いましょう。
普段から新聞や小説などの読み物を読む習慣をつけておくのもおすすめです。
▽問題
縫製:針
描画:( )
選択肢:
A.ブラシ
B.鉛筆
C.イーゼル
D.水彩絵の具
E.キャンバス
【解答・解説】
答え:B
縫製には針が必要。同様に描画には鉛筆などの描画道具が必要です。
▽問題
現代社会では、多様な( 1 )が急速に進化しており、これにより人々の( 2 )も大きく変化している。例えば、デジタル化の進展は、( 1 )の発展に寄与し、日常生活における( 2 )の変容をもたらしている。
【選択肢】
A.1.経済 2.文化
B.1.技術 2.生活様式
C.1.教育 2.環境
D.1.交通 2.伝統
E.1.建築 2.通信
【解答・解説】
答え:B
文中の「現代社会では」「急速に進化」というフレーズから、現代の変化に関連する適切な漢字を選ぶ必要があります。「技術」と「生活様式」は、現代社会の進化と日常生活の変化を表すのに適した単語です。
非言語分
非言語では、公式を使って解く問題と、公式がいらないタイプの2通りあります。
公式を使って解く問題は、解法が決まっているので対策しやすいでしょう。
問題は公式を使わずに解く問題です。
与えられた情報だけを頼りに答えを導きます。
▽問題
P、Q、R、Sの4人兄弟がいた。4人の年齢に関して次のことが分かっている。
Ⅰ 4人合わせて32歳である。
Ⅱ PとQは同じ年齢である。
Ⅲ RはPよりも2歳年上である。
Sが12歳であるとき、Rは何歳であるか。
選択肢
A.4歳
B.6歳
C.8歳
D.10歳
E.12歳
【解答・解説】
正解:C
Ⅱ、Ⅲの情報から、P=xとおくと、Q=x 、R=x+2となる。
さらにⅠの情報より年数の和は32で、Sは12歳だから、x + x +x + 2= 32-12 より、x=6であり、Rは8歳。
▽問題
ある高校の学生200人の数学の成績について、以下のことがわかっている。
Ⅰ 70点以上80点未満の男子学生は80人いる。
Ⅱ 80点以上の学生は10人いる。
Ⅲ 70点未満の学生は70人いる。
70点以上80点未満の女子学生は何人いるか。
選択肢
A.20人
B.25人
C.30人
D.35人
E.40人
【解答・解説】
正解はE。
Ⅱ、Ⅲの情報から、70点以上80点未満の学生は200-10 -70 = 120人いる。
さらにⅠの情報より、そのうち男子学生は80人だから、女子学生は120-80 = 40人。
英語
英語はSPIの必須科目ではないものの、対策しておけば万が一英語の問題が出題された時にも柔軟に対応できるでしょう。
▽問題
以下の語群を並び替えて(1)~(5)にあてはめ、意味の通る文章にしたとき、(2),(4)に当てはまる組み合わせを答えよ。
The(1) (2) (3) (4) (5) when he aced the exam
語群:
ア:student
イ:the
ウ:ozer
エ:was
オ:moon
A:(2)ア,(4)エ
B:(2)ウ,(4)イ
C:(2)エ,(4)イ
D:(2)ア,(4)オ
E:(2)エ,(4)ウ
◎解答
答え:C
The student was over the moon when he aced the exam
学生は試験に合格したとき大喜びした
SPIで失敗する人の共通点とは
SPIでつまずいてしまう人には共通点があります。
SPIは決して難解な内容ではないので、対策をすれば十分点数がとれます。
それでもつまずいてしまうのはどうしてでしょうか。
SPIで失敗する人の特徴を確認していきましょう。
解き方がわかっていない
問題の解き方がわからなければ、少し応用された問題が出た時に解けなくなってしまいます。
中学、高校の範囲で簡単なはずとはいえ、学習したことを忘れていることもあります。
昔習ったことを思い出し、復習しましょう。
解き方を思い出して理解すれば解ける問題は増えるはずです。
制限時間内に全部終わらない
時間が不足して全問解ききれず、点数が低下してしまう受検生もいます。
これはとてももったいないです。
本来なら解けたはずの問題が、時間が足りなくて解けなかったというのは防ぎたいですよね。
SPIの模擬試験を受けてみて、時間意識を持ちながら解くことに慣れておきましょう。
本番の環境に免疫がない
場慣れしていないこともつまずく原因の一つです。
本番に慣れていないため、いざ本番を迎えたら緊張してパニックになってしまいます。
そのため本来の力を発揮できなくなってしまうのです。
リラックスして余裕のある状態でテストを受けたほうが力を出しきれます。
本番前に臨場感ある環境で練習してみましょう。
SPIで失敗しないための7つのコツ
SPIで成功するためには、下記で紹介する7つのポイントを意識してください。
志望する企業の出題範囲を理解しておく
志望している企業によって、SPIの出題範囲は異なってきます。
事前に確認し、どういう問題が出てくるか理解しておきましょう。
そうすれば効率的に準備できます。
問題集の問題を全部解いてみる
最初はハードルが高く感じるでしょうが、問題集を用意し、その中の問題をひと通り全部解いてみてください。
全部解ききることが重要です。
もちろんまったくわからない問題があれば飛ばしていいです。
間違ってしまった問題や、わからなくて飛ばした問題はあなたの弱点だとわかるでしょう。
問題集をひと通り解いてみれば、自分の不得意な分野や得意な分野が特定できます。
そうすれば今後何を重点的に対策すればいいかの指標となるでしょう。
特定するためにも、ひと通り全部の問題にあたってみることが大切です。
弱点は反復して解く
苦手な部分は何度も繰り返し解きましょう。
反復することで力がついてきます。
頻出問題を集中的に練習する
SPIの中でもよく出る問題というのは決まってきます。
あまり出ない問題に注目するよりも、頻出する問題に慣れておいたほうが効率的に対策できます。
対策期間は短くても、頻出問題に的を当てれば高得点が期待できます。
時間を有効に利用する
忙しいでしょうが、空いた時間を使って対策しましょう。
まとまった時間がなくてもSPI対策はできます。
移動時間に公式を覚えることもできますし、問題集ではなくスマホのアプリを使って解説動画を見ることもできます。
時間をうまくやりくりしながら、勉強のための時間を割きましょう。
時間を意識しながら解く
時間に追われてるんだと思いすぎるとプレッシャーで解きにくくなりますが、時間意識を持って解くことは大切です。
時間がいっぱいあると油断していては、1問にかける時間が長くなって最後まで解けなくなってしまいます。
ある程度時間を意識しながら解くことは大切です。
本番はもちろんですが、自宅で模試に挑戦する時も時間を測りましょう。
本番に慣れる
バッチリ対策したつもりでも、本場の雰囲気に負けてしまっては本来の力を発揮できません。
そのため、当日までに本番の雰囲気に慣れておくことをおすすめします。
大学受験のようにセンター試験はないですが、ご自宅で本番さながらの受検をするのはおすすめです。
制限時間に従い、静かな環境で取り組みましょう。
SPI対策に役立つお助けコンテンツ
コンテンツの中には、SPI対策の味方になるものがあります。
最近では学習用にさまざまなコンテンツが出ていますが、SPI対策用のコンテンツも充実しています。
問題集
最も基本的なコンテンツといえば、問題集です。
書店やオンラインで購入して用意できます。
単元ごとにまとまっており、練習問題や模試が収録されているでしょう。
多数の問題集があって選ぶのに迷ってしまうでしょうが、ご自身がわかりやすいと感じた問題集を使用するのが一番です。
WEBサイト
WEBサイトもおすすめのコンテンツです。
ネット環境さえあれば、いつでもどこでも勉強できるのが利点です。
空いた時間を使ってスマホ一つで勉強できるでしょう。
まとめ
SPIにハードルを感じてしまう方もいるでしょうが、対策することで十分高得点が期待できます。
そもそも高得点をとる必要は必ずしもありません。
6〜7割とれていれば合格基準に達する場合も多いです。
企業ごとの合格基準は公表されてないのでわかりにくいですが、自分なりにベストを尽くせばいいのです。
問題集はもちろんですが、WEBサイトやアプリなどの便利なコンテンツも利用し、ぜひ効果的に対策してください。
成功を願っています!