記事更新日:2024/3/3/
SPI対策はなぜ必要?就活最初の難関であるSPIで企業へアピールしよう!

はじめに

SPIは、就活最初の関門といわれています。

企業の94%が導入し、就活をするうえでSPIを避けて通ることは困難でしょう。

苦手意識を持っている方も多く、就活解禁前に焦っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、これからSPIに望む就活生に向けて、SPIの説明や企業での活用方法、出題範囲、対策方法を紹介します。

SPIは自分を理解してもらうためのツールであり、企業に自分をアピールできるチャンスです。

SPIについて理解を深め、万全の対策で挑んで就活最初の関門を突破しましょう。

参照:新卒採用で適性検査を行う目的は? SPIの導入で自社に合った採用へ

就活におけるSPIとは?

就活におけるSPIとは、企業が候補者に対して平等に採用選考するための支援ツールです。

SPIの結果は採用時だけでなく、企業・応募者がともに良い条件や環境で働くために役立てられています。

当然、企業の求める基準を満たしている学生を簡易的に仕分けるための足きりに活用される場合もありますが、それがすべてではないことを理解しておきましょう。

SPIとは性格特性や知的能力を調べるテスト

SPIとは、リクルートマネジメントソリューションズ社が開発・提供している個人の性格特性や知的能力を測るためのテストです。

SPIは能力検査と性格検査から構成されており、それぞれの検査によって応募者の資質や人となり、仕事の適性を知ることができます。

SPIと適性検査の違い

適性検査には玉手箱やGABなどの種類があり、そのなかの1つがSPIです。

適正検査もSPIも、個人の性格特性や知的能力を測るためのテストであるという意味では変わりません。

適性検査同様SPIにも種類があり、SPI-U・SPI-G・SPI-H・SPI3の4つに分類されます。

採用向け適性検査として、一般的に用いられるのが最新版のSPI3です。

参照:適性検査とSPIの違い

SPIの導入率が高いのはなぜ?

企業がSPIを取り入れる理由は、以下の通りです。

・直近1年の導入実績No.1のスタンダード性

・誰でも読み取れる報告書

・妥当性を裏付ける43年の実績

選ばれる理由1つ目は導入企業が多く、適性検査のスタンダードだからです。

SPIは、年間利用社数15,500社、受検者数は217万人に迫り、国内で最も活用されている適性検査といえます。

選ばれる理由2つ目は、誰にでもわかりやすい報告書だからです。

難しい解説文やグラフは使用せず、わかりやすい言葉とシンプルなレイアウトで、はじめての方でも読み取れる報告書に仕上げています。

そして、3つ目は妥当性のある測定結果が提供されるためです。

SPIは応募者全体の平均を比較した際に、応募者がどの位置にいるのかを測定するツールなので、平均の正確さが求められます。

43年の長い年月をかけて蓄積された偏りのないデータサンプルが、妥当性の高い結果の提供に直結しています。

就活でSPIを実施する理由

企業の94%が導入しているSPIは、就活を進めるなかで避けては通れないといっても過言ではありません。

ここでは企業がSPIを実施する3つの理由を紹介します。

企業との相性を確認するため

就活でSPIを実施するのは、応募者と自社の相性を確認するためです。

採用した人材が組織の風土に馴染めず、早期離職するケースは少なくありません。

採用の段階で知的能力と性格特性の両面から、応募者が職務や組織に馴染めるのかを見極めるための情報として役立てています。

書類や面接ではわからない応募者の性格や適性を知るため

履歴書や面接ではわからない応募者の適性を知るためにSPIを実施しています。

様々な角度から応募者の性格や資質を共通のフレームに基づいて表してくれるのがSPIです。

そのため、面接官の主観に左右されず、応募者の本質を平等に判断できます。

採用活動で、一人一人にかけられる時間は限られています。

性格特性情報をSPIで補うことで、短期間に応募者の的確な理解が可能です。

応募者の適切な配属や育成のため

企業がSPIを実施するのは、採用後の応募者の適切な配属や育成のためです。

特性情報にはどのような組織や職務に適応しやすいかが整理されているため、適材適所の配置・配属の検討に役立ちます。

また、新人育成のヒントとして事前に上司やOJTリーダーと情報共有し、新人のスムーズな立ち上がり支援にも一役買っています。

就活でSPI結果はどう活用される?

SPIの結果は、採用活動時に活用されるのはもちろん、内定後の配属先の検討や上司への情報提供のためにされています。

企業の採用から入社までのフローにおいて、SPIは以下の項目で使用されるケースがあるので、押さえておきましょう!

選考・面接で応募者を理解する

企業はSPIの結果から自社の仕事に合う人材なのかを見極めています。

採用活動では、少ない情報をもとに短期間でその人となりを理解して合否判定を出すことが求められます。

すべての応募者に会うことは難しいため、エントリーシートや履歴書に加えて、SPIの結果も利用しています。

入社後の配属先を決める

SPIの結果をもとに、内定者が得意とする分野や能力を把握し、その能力を最大限発揮できる環境を見極める際にも活用しています。

企業は早期離職を減らし、新入社員が活躍できる職場環境を整えるため、SPI結果を一つの指標として内定者を深く理解することに努めています。

配属先の上司に理解してもらう

配属先がある程度決まったら、配属先の上司にこれから指導する新人の理解を深めるための参考資料としてSPIを活用しています。

職場で関わる時間が長い上司や配属先のメンバーが新人について熟知していることで、その後の定着率や適応に大きく影響を及ぼすからです。

SPIの試験内容

SPIは、能力検査と性格検査の2部で構成されています。

それぞれのテストで測れる能力が異なり、企業は多方面から応募者の知的能力や性格特性を知ることができます。

ここでは各検査でどのような能力を測っているのか、どのような問題が出題されるのかを解説します。

能力検査

能力検査では、社会人として働くための基礎的な能力である、コミュニケーションや思考力などを測ります。

能力検査の問題は言語と非言語の2つが一般的ですが、英語や構造的把握力の問題などを取り入れている企業もあります。

SPIの能力検査は企業の公正な選考を手助けするためのツールであり、学校の試験のように高い点数をとることがすべてではありません。

合格のラインに明確な決まりはなく、企業が求める水準に達していることが重要です。

言語分野

言語分野とは、国語の問題です。

出題の範囲は大きく7つに分かれ、熟語問題の様な基礎的な内容から、長文読解などの応用問題までが含まれます。

言語分野で測られるのが、言葉の意味や話の要点を正確に捉えて理解する力です。

問題は中学から高校レベルのものが出題されるため、しっかりと対策をして挑めば難易度は決して高くありません。

非言語分野

非言語分野は、数学の問題です。

この分野では、論理的思考力や数的な処理能力をみています。

非言語分野の問題は中学生で習う範囲とされており、言語分野に比べると学習の範囲は狭まります。

しかし、公式を覚えていないと解けない問題が多いため、しっかり復習することが大切です。

性格検査

性格検査では、日常の行動や考えに関する質問を通じて、どのような人なのかや仕事の適性を測ります。

能力検査とは異なり、決まった正解はなく選択肢のなかから自分の考えに近い回答を選ぶ形式です。

性格検査では、直感で素直に回答することが重要です。

SPIの受験方法は4つ

SPIには、4つの受験方法があります。

受験方法は企業によって異なるため、自分が受ける企業の受験方法は事前に確認しておきましょう。

テストセンター

テストセンターとは、リクルートマネジメントソリューションズが用意する専用会場のパソコン、または自宅のパソコンから専用システムを通じて、監督者の監督のもと受験する方法です。

受験期間が指定されており、指定された期間のなかで自分の都合に合わせて日程や会場を予約して受験をします。

WEBテスティング

WEBテスティングとは、インターネット接続環境があるパソコンから受験する方法です。

受験期間に指定があり、期間内であれば自分の都合に合わせて自宅や学校から受験することが可能です。

ペーパーテスティング

ペーパーテスティングとは企業が用意した会場にて、マークシートで受験を行う方法です。

以前まではマークシートが一般的でしたが、時代の変化とともにパソコンで受けられる形式が主流となっています。

インハウスCBT

インハウスCBTとは、応募した企業に足を運び、企業内のパソコンを使用して受験する方法です。

その場で結果がわかるため、適性検査終了後に結果を確認してすぐに面接を実施できるのが最大のメリットです。

就活におけるSPI対策のポイントは?

SPI対策をしなければと思いながらも、対策の仕方がわからず手をつけられない方も多いのではないでしょうか。

一見難しいと思われがちですが、出題範囲は中学生〜高校生で習う範囲であり、出題分野も提示されているため、しっかりと対策すれば問題なく突破できます。

ここでは、就活におけるSPI対策のポイントを紹介します。

SPI全体の対策ポイント3選

まずは、SPI全体の対策ポイントです。

SPIの対策の仕方がわからない方は、ここから始めてみましょう。

はじめに全体像を把握することで、効率的に学習を進められます。

問題を一通り解く

1つ目のポイントは、問題を一通り解くことです。

まずは問題集を1冊終わらせることを目標にしましょう。

SPIにはある程度傾向があり、1冊の問題集を一通り解くことで問題形式や傾向がつかめます。

問題集を選ぶ際は複数の問題集を比較して自分が一番わかりやすいと感じた1冊を厳選すること、問題集の最新版を選ぶことも重要です。

苦手な問題や時間のかかる問題を対策

2つ目のポイントは、苦手な問題や時間のかかる問題の対策を始めることです。

わからない問題や苦手分野をそのままにすると、点数が伸び悩む原因となります。

解説を読む→理解を深める→問題を解くを繰り返し、確実に解ける問題を増やすことが得点アップへの近道です。

また、頻出問題には特に力を入れて取り組むのがおすすめです。

解くのにかかる時間を把握する

3つ目のポイントは、問題を解くのにかかる時間を把握することです。

SPIでは、多くの方が時間制限の壁にぶつかります。

正確な答えを導き出すことも大切ですが、解けるはずの問題に回答すらできなければ意味がありません。

学習が進んできたら、時間を意識して問題に取り組んでみてください。

また、わからない問題が出てきた場合の対処法を事前に決めておくのもおすすめです。

言語分野の対策方法

言語分野は、語彙の用法をおさらいするのがおすすめです。

なぜなら、全体的に語彙力を問う問題が多いからです。

短期間で覚えることは困難ですが、覚えれば確実に得点に結びつきます。

また、普段から新聞や小説に触れ、活字に慣れておくことも有効です。

非言語分野の対策方法

非言語分野は、解法パターンを暗記するのが最も効率の良い対策方法です。

SPIで出題される問題には解法パターンがあり、公式を当てはめて正しく計算できれば得点できます。

しかし、非言語分野では公式を必要としない問題も出題されます。

こちらも問題を繰り返し解くことで、注目すべき点などが見えてくるはずです。

英語の対策方法

英語の対策として有効なのが、TOEICの学習です。

TOEICは日常生活やビジネスで使われる英語の試験なので、SPIで出題される英語問題と重なる部分が多くあります。

TOEICのほうが難易度が高いため、TOEICの問題に慣れるとSPIの問題は簡単に感じられるかもしれません。

【分野別】SPIの出題例

SPIの各分野ごとに出題される問題の形式と、例題を紹介します。

学習前の力試しに、ぜひ活用してください。

言語分野

言語分野は主に7つの形式問題が出題されます。

・二語の関係

・熟語の意味

・熟語の成り立ち

・文の並び替え

・語句の用法(文法)

・空欄補充

・長文読解

特に二語の関係や熟語の意味は頻出問題なので、重点的に対策しましょう。

【問題】

カギかっこに入る言葉を選べ

縫製:針

描画:(  )

選択肢:

A.ブラシ

B.鉛筆

C.イーゼル

D.水彩絵の具

E.キャンバス

解答・解説

B

縫製には針が必要。同様に描画には鉛筆などの描画道具が必要。

非言語分野

非言語分野は主に9つの形式問題が出題されます。

・推論

・集合

・順列・組み合せ

・割合・比

・料金の割引

・損益算

・分割払い・仕事算

・速さ

・代金の精算

ここで紹介したのは公式を活用して解ける問題のみで、このほかに表の読み取りなど公式が不要な問題も出題されます。

【問題】

X、Y、Zが同じ絵を見てて、次のように発言した。

X この絵には緑色が使われている。

Y この絵には赤色が使われている。

Z この絵には少なくとも緑色か赤色が使われている。

全員が本当のことを言っているとは限らない。そこで、以下の推論がなされた。次のうち正しいものを一つ選びなさい。

A. Yが正しければXは必ず正しい

B. Zが正しければYは必ず正しい

C. Xが正しければZは必ず正しい

◎解答・解説

C

Yが正しいとしても、緑が使われていることは分からないため、Xは必ずしも正しくない。

Zが正しいとしても、赤が使われているとは限らないため、Yは必ずしも正しくない

Xが正しいとき、少なくとも緑は使われているため、Zは正しい。

英語分野

英語分野は実施する企業としない企業があるため、すべての方が対策する必要はありません。

しかし、複数の企業を受けるなかで実施する企業もあるかもしれないので、余裕がある方は学習してもよいでしょう。

英語分野は主に8つの形式問題が出題されます。

・同意語

・反意語

・空欄補充

・英英辞典

・誤文訂正

・整序問題

・長文読解

・和文英訳

【問題】

次の説明文に最も近い意味を持つものを、AからEまでの中から1つ選びなさい

以下の語群を並び替えて(1)~(5)にあてはめ、意味の通る文章にしたとき、(2),(4)に当てはまる組み合わせを答えよ。

The book (1) (2) (3) (4) (5)  readers.

語群:  

ア:is

イ:for  

ウ:young  

エ:especially  

オ:long  

A:(2)ア,(4)エ  

B:(2)ウ,(4)イ  

C:(2)エ,(4)イ  

D:(2)ア,(4)オ  

E:(2)エ,(4)ウ  

解答・解説

 C  

The book is especially long for young readers.

この本は若い読者にとって特に長いです。

就活におけるSPI対策のスケジュールを立てよう

SPIの対策方法について紹介してきましたが、SPIの学習はいつから始めればよいのかと疑問を感じる方も多いでしょう。

この章では、学習時間の目安や対策の開始時期について解説します。

どのくらいの勉強が必要?

一般的な目安としては、約30〜60時間といわれています。

あくまでも目安であり、これだけやれば大丈夫というものではありません。

企業の求めるスコアや自身の学習状況によっても異なるので、早めの準備を心掛けましょう。

SPI対策はいつから始めるべき?

SPIの対策については、3年生の12〜1月を目途に開始するのがよいでしょう。

およそ1〜2カ月でSPI対策が完了する計算です。

3月に情報が解禁されて就活が本格化しだすと、エントリーシートや履歴書などの手続きに時間を取られてしまい、学習時間を確保することが難しくなります。

そのため、情報解禁される3月より前に一通りの学習を終えるようにスケジュールを組むことが重要です。

就活におけるSPI対策おすすめの参考書3選

SPI対策としておすすめの参考書を3つ紹介します。

それぞれ特徴が異なるため、自分に合う参考書を見つけてみてください。

2026年度版 7日でできる! SPI[頻出]問題集

出典:高橋書店

主要22単元を、7日間で無理なく無駄なく対策できる短期集中型問題集です。

基礎から応用まで網羅されており、イラストでのわかりやすい解説付きで、数学が苦手な方でも取り組みやすい1冊です。

これが本当のSPI3だ! 2026年度版

これが本当のSPI3だ! 2026年度版の表紙

出典:講談社BOOK倶楽部

著者は、就活対策本として実績がある、就職問題・採用テストを研究するグループ・SPIノートの会です。

SPIテストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティングの3形式に対応し、各形式の出題傾向に合わせた対策が1冊で完結できます。

丁寧でわかりやすい解説と頻出度順の出題範囲表もついており、とりあえず買うのに最適な最初の一冊です。

史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集

2025最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集の表紙

出典:ナツメ社

SPIの青本とも呼ばれる1冊です。

上記2冊に比べると難易度が高く、ある程度学習が完了した段階で始めるのがおすすめです。

問題数が豊富なだけでなく、素早く解くためのコツやスピードを意識した構成で、より実践に近い形で学べます。

SPIの練習問題ができるサイト3選

続いては、スキマ時間にSPIの問題ができるサイトを3つ紹介します。

   

通学時間などのスキマ時間を有効活用して、得点アップを狙いましょう。

Study Pro「SPI無料学習サイト」

Study Pro「SPI無料学習サイト」は名前の通り、無料でSPIテストが体験できるサイトです。

言語分野・非言語分野・CABの3つに分けられており「対策の優先度」がわかります。

また、色の違いで復習の必要性を表すため、学習状況がひと目でわかります。

SPI頻出問題集

SPI頻出問題集は、メディア・就活の教科書の編集部が独自に公開しており、SPIに苦手意識を持っている方におすすめです。

言語分野と非言語分野を網羅しており、わかりやすい解説もついています。

LINEにて無料で受け取りができるため、LINEを使用していれば登録などの手間もなく、すぐに利用を開始できます。

SPI対策問題集 produced by CareerMine

SPI対策問題集 produced by CareerMineは、約340問の練習問題を掲載しており、言語分野・非言語分野・英語分野を対策できるサイトです。

問題と解説のクオリティーが高く、学習データが蓄積されていくため自分の苦手分野を理解し、効率的に復習可能です。

まとめ

SPIは応募者を厳選するためだけのものではなく、正しく応募者を理解し、働きやすい職場を準備するための情報源の一つです。

勉強は苦手だからと諦めている方も多いかもしれませんが、SPIにおいては高得点を取ることだけが正解ではありません。

また、一見難しいと思われがちですが、要点を抑えてしっかりと対策をすれば決して難易度はそこまで高くありません。

最近では、参考書だけでなくアプリなどでも手軽に対策が可能です。

SPIに対する正しい知識をもって、就活最初の関門を乗り切りましょう。

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