はじめに
SPIは問題数が膨大です。
難易度自体はそれほど難しくないですが、かといって対策なしで臨むのはリスクが高いでしょう。
制限時間内に膨大な数の問題に解答しなければなりません。
一つ一つにあまり多くの時間を割けません。
短い時間でミスなく回答するためにも、理解を深めていく必要があるのです。
素早く正確に解くためにも、SPIの練習問題や模擬試験を受けるなどして対策が必要です。
SPIのトレーニングを重ねていれば、本番で落ち着いて正答できるでしょう。
本記事では、これからSPIを受ける就活生向けに、どれだけ多くの問題数でも全問解けるようにするための対策を紹介します。
各分野の問題数は?
SPIの試験形式は4つです。
試験形式によって問題数と制限時間が異なります。
そのため、自分が受ける予定の試験内容はチェックしておきましょう。
試験形式 | 問題数 | 制限時間 |
テストセンター | 言語問題:約40問非言語問題:約20問英語:約25問
構造的把握力:約20問 性格検査:約300問 |
言語問題:約15分非言語問題:約20分英語:約20分
構造的把握力:約20分 性格検査:約30分 |
Webテスティング | 言語問題:約40問非言語問題:約20問性格検査:約300問 | 言語問題:約15分非言語問題:約20分性格検査:約30分 |
ペーパーテスティング | 言語問題:40問非言語問題:30問性格検査:約300問 | 言語問題:30分非言語問題:40分性格検査:約40分 |
インハウスCBT | 言語問題:約40問非言語問題:約20問性格検査:約300問 | 言語問題:約15分非言語問題:約20分性格検査:約30分 |
テストセンター
テストセンターは企業ごとで検査が違ってきます。
全部実施する企業もあれば、英語や構造的把握力の検査は除く企業もあります。
能力検査は、言語問題の問題数が膨大です。
その割に制限時間が少なく、1問に30秒もかけられません。
非言語問題は約20問で言語問題より少ないですが、計算処理があるので1問にかける時間が長くなる可能性があります。
計算が速ければいいですが、苦手で遅い人は時間がとられてしまいます。
非言語問題は、1問1分で解答できるのが理想的です。
電卓は使えないので、ご自分の力で正確に計算する必要があります。
また、テストセンターは各問題ごとに制限時間があり、解答できなくても自動的に次の問題に移行します。
さらに、問題の正答率が上がってくるほど難易度も自動的に高くなってきます。
後半に進むにつれ難しくなり、解答するのに時間がかかるでしょう。
性格検査には正解・不正解がないので頭はほとんど使いません。
直観で答えられる問題が多数です。
ただ、質問が約300問あり、それらを30分以内で回答しなければならないので、ゆっくり回答する時間はありません。
Webテスティング
Webテスティングは自宅や学校でパソコン経由で受検します。
Webテストにも玉手箱やCABなどいくつか種類がありますが、企業から最も利用されているのはWebテスティングです。
Webテスティングでは、英語と構造的把握力はありません。
言語問題や非言語問題、性格検査はテストセンターと同様の配分になります。
Webテスティングにおいては、非言語問題で電卓を使うことができるので、計算問題は迅速にできるでしょう。
ペーパーテスティング
ペーパーテスティングは筆記試験です。
指定された場所へ行き、机の上で筆記試験を受けます。
言語問題と非言語問題トータルで70分程度あり、言語問題は約40問なので余裕があるでしょう。
一方で非言語問題は30問あり、所要時間は約40分なので1問あたりにかけられる時間は短いです。
ペーパーテスティングではテストセンターと同様に電卓が使えないため、自力で計算しなければなりません。
電卓の使用に慣れている方は、ペーパーテスティングに向けて計算の練習もしておきましょう。
インハウスCBT
インハウスCBTは、企業が指定した会場へ出向き、SPIを受検するスタイルです。
試験内容はWebテスティングとほとんど同じです。
電卓が使えるので、計算処理は素早くできるでしょう。
インハウスCBTを導入している企業は、同日に面接を行うケースもあります。
面接も同日に実施される場合、適性検査が終わったからといって油断しないでくださいね。
集中力を保ちましょう。
膨大な数の能力検査への対策法は
SPIの難易度はそれほど高くないものの、とにかく問題数が多いのが就活生にとって壁でしょう。
特に能力検査は制限時間が厳しいので、速さが求められます。
膨大な問題数を処理するには、どのような対策が必要かみていきましょう。
模擬試験を受けて自分のレベルを知る
まずは模擬試験を受けることをおすすめします。
制限時間内に全部の回答ができるか試してみましょう。
今の自分の能力を知ることで対策しやすくなります。
苦手な分野を見つけ、時間配分をよく意識してください。
問題集で問題を解いてみる
SPI対策においては、問題集を解いてみることでアウトプットができて力になります。
問題集を解けば自分の苦手な分野を把握できるので、対策しやすくなります。
SPIの問題傾向に慣れるためにも、問題集を解くのはおすすめです。
SPIのレベルは中学卒業レベルと言われていますが、それぞれで出題傾向が異なるため、問題集でぜひ問題に触れて慣れておきましょう。
非言語問題は公式を覚えておくことが大事
非言語問題は公式がわかれば解ける問題が多いです。
そのため、いかに公式を暗記しているかが重要です。
円滑に解くためにも、ぜひ対策として公式を暗記しましょう。
公式を使わなければ解けない問題は多いため、公式は土台となります。
基礎である公式を頭に叩き込み、問題をスムーズに解いていきましょう。
暗記しておくといい公式は以下の通りです。
- 料金の割引
- 時間の求め方
- 割合と比の
- 損益算
- 増加率
- 通過算
もちろんこのほかにも公式はありますが、頻出するのは上記です。
公式をあらかじめ覚えておけば、スピーディーに回答ができるでしょう。
場合によっては問題を飛ばすのも賢い選択
SPIは短い時間で膨大な量の問題をこなさなければいけないため、時間との戦いでもあります。
全問すべて的確に答えられればいいですが、中には苦手な問題があり、わからなくて立ち止まってしまう時もあるでしょう。
その際、わからないからといっていつまでもその問題で滞らないようにしましょう。
一つの問題で滞ってしまうと時間が不足してしまいます。
膨大な量の問題が出題されるので、SPIでは基本的に悩んで考えている時間はありません。
ですので、わからない問題に出くわしたら潔く諦め、次に進むのも賢い選択肢です。
1問のわからない問題のために、後ろにある多くの問題を犠牲にすることはありません。
1問を犠牲にして次の問題に進んでいったほうが犠牲を減らせるでしょう。
もちろん全問解けるに越したことはないですが、それが難しい場合は飛ばすようにしましょう。
膨大な性格検査の問題に対処する方法
性格検査は能力検査のように考えて解く問題ではありません。
とはいえ、問題数が約300問と膨大です。
30分という決められた中で円滑に回答できるようにするためにも、性格検査の対策をしておきましょう。
ここでは、性格検査を円滑にこなしていくためのコツを紹介します。
直感で答える
性格検査は能力検査のように、回答に悩むことはほとんどありません。
直感で答えると時間をかけずに円滑に進むでしょう。
性格検査は受検者の性格や思考、企業や仕事にマッチするかを測る試験です。
面接やエントリーシートとの照合に使われることもあるでしょう。
そのため適当に回答し、嘘をつくと面接で不利になってしまいます。
入社後にミスマッチが生じる可能性があります。
また、回答からわかる人物像にズレが生じる場合も、そのデータが企業に見られて信用を無くす恐れがあります。
時間がないからといってでたらめに答えたり、嘘をついたりはしないようにしましょう。
事前に自己分析をしておく
性格検査は自分について問われるため、自己分析をしておくとよりスムーズに回答ができます。
自分がどういう人間かあらかじめ把握しておきましょう。
自分のことだからよくわかっているとはいえ、意外にわかっていないことも多いです。
自己分析をしておけば、「自分は意外とこういうところがある」と、性格の傾向がわかるので、自分がどのような人間か直観で回答できるようになるまで分析しましょう。
そうすれば、性格検査の問題数が多くてもスムーズに全問解けるはずです。
一度性格検査を試してみる
性格検査は能力検査とは異なり、いきなり本番でも大きな支障はない検査です。
ですが、もし余裕があるならぜひ一度性格検査も受けてみることをおすすめします。
自己分析を事前にしておくのも良い対策ですが、一度性格検査の模擬試験を試してみるのも効果的な対策となるでしょう。
実際に性格検査の模擬試験を受けてみれば、問題傾向に慣れることができます。
こういう問題なんだなとあらかじめ知っておけば、本番でも落ち着いて回答できるでしょう。
模擬試験といっても、書籍を使ってご自宅で解けます。
正直に答えることを前提として、できる限り早く回答することを意識しましょう。
問題傾向をつかんでおくと解きやすい
やみくもにSPIの問題に体当たりしても、全部の問題を解くのは難しいでしょう。
SPIでは基礎的な学力だけでなく、思考力や判断力もみられます。
そのため問題文の読解やグラフ、表の分析や解釈といった問題も出題されるのです。
SPIで頻出される範囲を把握していないことには、対策しても非効率的になるでしょう。
問題集に取り組めば、ある程度問題傾向は見えてきます。
頻出度の高いものを以下にまとめましたので、ご参考にしてください。
言語
言語問題 | 出題傾向の高い試験 |
二語の関係 | テストセンター、ペーパーテスト |
熟語の意味 | テストセンター、ペーパーテスト |
熟語の成り立ち | Webテスティング、インハウスCBT |
語句の用法 | テストセンター、ペーパーテスト |
文の並べ替え | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT |
空欄補充 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT |
長文読解 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
テストセンターで受ける場合、出題範囲は広くなります。
二語の関係や熟語の意味は特によく出るので、要点を絞って対策しましょう。
非言語
非言語問題 | 出題傾向の高い試験 |
推論 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
図表 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
集合 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
順列 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
確率 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
割合・比率 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
料金の割引 | テストセンター、ペーパーテスト |
損益算 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
仕事算 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
速度 | テストセンター、Webテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスト |
代金精算 | テストセンター |
資料読み取り | テストセンター |
長文読み取り | テストセンター |
整数 | Webテスティング、インハウスCBT |
非言語問題は出題範囲が広く、気が遠くなる方も多いはずです。
とはいえ、公式を事前に頭に入れておけば解ける問題が多いです。
大学受験のように、深堀りした応用問題はそこまで出ません。
ひっかけ問題も少なく、シンプルな一般的な問題が多いです。
ですから、土台となる基礎力をつければ高得点が得られるでしょう。
英語
英語問題 | 出題傾向の高い試験 |
同意語・反意語 | テストセンター、ペーパーテスト |
空欄補充 | テストセンター、ペーパーテスト |
英英辞典 | テストセンター、ペーパーテスト |
語文訂正 | テストセンター、ペーパーテスト |
和文英訳 | テストセンター、ペーパーテスト |
長文読解 | テストセンター、ペーパーテスト |
英語を取り入れる企業は少ないですが、テストセンターなどで受検する場合は上記の範囲から出題されます。
英語は毎年出題傾向が上記6種類になりやすいはずです。
問題集でも出題傾向を把握して対策していきましょう。
まとめ
SPIの問題集を解く対策について解説してきました。
SPIの問題数は膨大で時間がないように感じますが、対策をしていれば時間内にこなすことは十分可能です。
練習として実際に問題集を解いたり模擬試験を受けたりして、ぜひ本番に慣れておきましょう。
SPI合格のためにも、出題傾向を把握しておくことも大切です。
また、性格検査への対策としては自己分析をしておくといいでしょう。
直観的に円滑に答えてください。