はじめに

SPIといえば就活生が就活の一環として受けるものです。

新卒者が経験するものというイメージが多いですが、実は中途採用の選考においてもSPIが用いられることがあります。

SPIは必ずしも新卒採用にのみ適用されるテストではないのです。

中途採用を考えている方の中にも、SPIの対策に困っている方がいるでしょう。

そのため、本記事では中途採用向けのSPIがどのようなものかについて解説していきます。

SPI対策を怠ってしまうと、転職が失敗に終わる恐れがあります。

採用されるためにも、限られた時間内で効果的に対策していきましょう。

なぜ転職時でもSPIは必要なのか？

新卒採用でSPIが必要なのは理解できるものの、なぜ転職の際にもSPIが必要なのか疑問に感じる方もいるでしょう。

中途採用では、企業は即戦力を求めます。

新卒のようにあれこれ教育しなくても、ある程度はすでに基本的なスキルや経験がある人材を採用したいのです。

このため、企業側は中途採用希望者のスキルや職務経験を審査します。

その一環としてSPIを実施し、能力を測るのです。

また、中途採用は新卒採用よりも採用期間が短いため、企業側は効率的に選考を進めたいという思惑もあります。

効率良く選考をするためにも、企業側にとってSPIを導入するのは便利なのです。

中途採用のSPIは新卒採用と何が違うのか？

結論からいうと内容はそこまで大きく異なりません。

新卒採用者向けのSPI-Uと、中途採用者向けのSPI-Gがあるものの、出題内容は大きく変わらないのです。

強いていうなら、中途採用のSPIは特に言語分野が難しくなってきています。

その逆で、非言語分野のレベルは低下傾向です。

そのため、中途採用のSPIは非言語よりも言語を重視するといいでしょう。

中途採用のSPIの合格基準とは

転職活動の一環として受けるSPIの合格基準は、新卒採用時よりも低いです。

転職の時のSPIの合格ラインは、3〜4割といわれています。

しかし、企業によって異なるので一概にはいえません。

SPIのシステムを手掛ける株式会社ノストラムによれば、人気の高い企業にはSPIが導入される傾向にあります。大手企業のうち51.2%は実際にSPIを実施しています。

つまり、2社に1社がSPIを導入しているのです。

短い時間で選考を行うためにも、SPIで効率よく選考しようと考えているのです。

転職用のSPIの評価は7段階あり、評価段階が高いほど合格基準に達しやすいです。

大手企業に転職したいなら、ぜひ7〜8割を目指してください。

能力検査と性格検査とは

新卒者のSPIでも能力検査と性格検査に分かれていましたが、これは転職の時も同じです。

能力検査は知的能力を測るために行われます。

能力検査の中でも、言語分野と非言語分野で枝分かれしています。

言語問題では、語彙や趣旨を理解できているかが測定されます。

非言語分野は数字を扱った問題です。

計算処理の能力もそうですが、論理的思考力も求められるでしょう。

企業によっては、英語や構造的把握力のテストが追加されることもあります。

稀ではありますが、志望する企業によっては準備が必要です。

性格検査は性格を把握し、社風に合うか、適性があるか見るためのものなので、特に考えて回答する必要はありません。

場合によっては、性格検査で回答した内容が面接時の資料になることもあります。

転職する時のSPIはどうやって対策する？

転職を成功させるためにも、足切りに合わないように効果的な対策をしましょう。

言語分野

言語分野の対策をする上では、基本的に問題集を解くのが有効です。

言語問題では語彙力や読解力が求められます。

転職時のSPIでは、資料にまつわる問題が出る場合もあります。

事前に問題集で対策していれば、本番で自信を持って答えられるでしょう。

問題集を解いて練習しておけば、転職用のSPIで高得点が狙えます。

非言語分野

非言語分野は新卒採用時のSPI-Uと比べると、レベルは下がります。

人によっては、まったく対策をしなくても解ける方もいるでしょう。

ただ、制限時間に対して問題数が多いです。

そのため、時間意識を持ってサクサク答えていかなければ間に合いません。

せっかく解けるはずの問題でも、時間が足りなくて解けないことが考えられます。

時間内に多くの問題を解くようにしておきましょう。

非言語分野に苦手意識があっても、何度も問題集を解くことでパターンに慣れてきます。

新卒のSPIより難易度は下がっているのですから、苦手でも対策すれば高得点が狙えます。

もっといえば、SPIでは難し過ぎる文章問題はそこまで出題されません。

基本的な公式を覚えていれば解ける問題が多いので、そこまで難しく考える必要はないでしょう。

英語の対策はどうやる？

企業によっては、特に外資系企業はSPIで英語の問題が出題されることがあります。

志望している企業が英語の試験を採用しているなら、対策しておきましょう。

英語の試験ではどんな問題が出題されるかというと、英単語の同意語や反意語、空欄補充、英文読解などが主です。

英語の試験があるところは、少なからず業務で英語を使うということです。

もともと英語が得意な方なら対策しなくても点がとれるでしょうが、苦手なら対策しておきましょう。

構造的把握力の対策

企業によっては構造的把握力の問題を出題することがあります。

こちらは非言語分野より難易度は低いです。

問題文をよく読み、内容をよく理解する力が求められます。

珍しいタイプの問題なので、そんなに問題集をやりこむ必要はないでしょう。

性格検査の対策

性格検査には正解・不正解がないため、対策はないといえます。

自分のことについて質問されるため、正直に答えればいいだけですが、企業は就活生の性格分析をするためにわざわざ性格検査を取り入れています。

中途採用の選考にはもちろんのこと、面接や就職後にも活用する可能性があります。

できる対策を強いていうなら、自分がどういう人間か自己分析しておくことくらいです。

とはいえ、自己分析していなかったからといって性格検査がうまくいかないわけではありません。

また、前もって性格検査の例題を見ておくのも役に立つでしょう。

転職時のSPIに有利な総合対策

SPIにはいくつか分野がありますが、どの分野にも共通した対策をしておくと便利です。

総合的に対策しておくためにも、どんなことに心がければいいか解説していきます。

時間配分をする

SPIは、問題数は多いのに制限時間は短いです。

そのため、時間配分をしていなければ最後まで解けない可能性があります。

ペーパーテストは言語が約30分、非言語分野が約40分で問題数は合計70問近くあります。

限られた時間でこれだけ多くの問題を解かなければいけないので、ペース配分は必須でしょう。

時間が足りなくなって解けるはずの問題が解けなくなるのはもったいないです。

タイマーを使って本番のシチュエーションに慣れておきましょう。

模擬試験を受けるのもおすすめです。

わからない問題はスキップする

わからない問題に遭遇したら、潔く飛ばすのもコツです。

時間を有効に使うためにも、わからない問題でずっと止まっているよりも、わかる問題からサクサク回答していったほうがいいでしょう。

ただ、ペーパーテストだけが問題を飛ばすことができます。

テストセンターとWebテスティングでは、前の問題に戻ったり、逆に後の問題に進んだりができません。

転職先の社員にアドバイスをもらう

転職したい企業の社員と交流する機会があれば、ぜひSPI対策について聞いてみてください。

体験者だからこそ有力なアドバイスをくれるでしょう。

実際にそこで働く社員であれば、転職する時にSPIを受けた可能性が高いです。

その時と同じ問題とは限りませんが、ある程度傾向は似通っているでしょう。

その時にどんな対策をしたのかもアドバイスをもらえるとうれしいですね。

もし社員と交流できる機会がなければ、ネットで調べたり、SNSを参考にしたりしてもいいでしょう。

その会社のSPIに関する情報がないか探してみてください。

時間を有意義に使う

社会人になるとやるべきことが増えるため、SPI対策のために十分な時間を割けない可能性があります。

転職活動も仕事と並行しながら進める方が多いでしょう。

そのため時間は貴重です。

ご多忙でなかなか対策に時間を割けないでしょうが、例えば通勤時間を使って問題集に目を通すのもいいでしょう。

普段はボーッと過ごしているだけの通勤時間が、有意義な時間へと変わります。

単語帳やアプリを使って勉強するのもいいですね。

一日の予定を洗い出し、少しでも隙間時間があればそこをSPI対策に費やしてください。

いつ対策すべき？

SPI対策を始める時期がわからない方も多いでしょう。

遅くとも本番一か月前には準備しておきたいものです。

SPIは中学・高校レベルの一般常識問題とはいえ、社会人になると学習したことを忘れている場合もあるので、準備しておくに越したことはありません。

解き方を思い出すためにも、問題集を使ってSPIの練習をしましょう。

復習に時間を割くためにも、早めに動き出したほうがいいです。

働いている方は、平日は30分、休日は数時間勉強するなど、できる時に対策をしておきましょう。

始める時期は早いほど余裕があるので有利です。

一般的にいえば、SPIの対策にかかる時間は30時間といわれています。

ただしこの数字は最低時間なので、もっと重点的に対策したいなら60時間がおすすめです。

問題集を準備し、1冊の問題集をやり遂げるまでにどのくらい時間を要するか逆算してみましょう。

転職時のSPI対策で気を付けるべきこと

SPI対策するのはいいですが、SPI対策だけをするのはまた話が別です。

SPI対策だけに時間をかけるわけにはいかないからです。

中途採用はSPIだけではなく、ほかにも選考で必要な通過点があります。

履歴書の送付や面接もそうです。

SPIさえ通過すれば採用が決定するわけではありません。

SPIだけに比重をおき過ぎてしまうと、ほかの対策ができなくなります。

ほかの対策も大事なので、バランスよく時間配分をしましょう。

SPI対策だけに時間を割かないことです。

もちろん無理のない範囲で時間配分をしてください。

採用されるためには、SPI対策以外にもやるべきことがあることを意識しましょう。

まとめ

転職でも新卒者と同様にSPIが実施される場合があります。

仕事しながらSPI対策をするのは容易ではないですが、適切な対策法をとればSPIは成功しやすいでしょう。

基本的には、新卒の時のSPIも中途採用のSPIも大幅な変化はありません。

時間も意識しながらトレーニングを積みましょう。

性格検査では嘘の回答をしないことに気を付けてください。