はじめに
SPIは出題範囲がかなり広く、充分な勉強時間を確保しないと、高得点をとることができないのですが、SPI対策は万全でしょうか?
この記事を探し当てて読まれているということは、全然できていなくて「講義やアルバイトが忙しくて…」「どうしてもSPI対策に着手できない…」と、あわてている方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし「もう間に合わない」と決めつけ、あきらめるのはかしこい選択ではありません。
なぜなら一つひとつの問題は基礎的で、比較的やさしい内容だからです。
間に合わないと思っていても、最低限の時間でSPI対策を行えば案外、なんとかなる方もいそうです。
大学受験を制してきたみなさんなら、大丈夫!
そこでこの記事では、残された時間を悔いなく有意義に活用していただきたく、今から短期間でも間に合うSPI対策について解説していきます。
- SPI試験が目前に迫っている
- SPI試験対策ができていない
- 効率的にSPI試験対策を行いたい
と考えている就活生の方はぜひ、ご一読ください!
【SPI対策は難しくない】概要について解説!
SPIとは、「Synthetic Personality Inventory」の略で「適性検査」という意味です。
「適性検査」とはわかりやすく言えば、企業の採用活動上、就活生の能力がいかほどか、どのような人物であるかを把握するために用いられている試験です。
適性検査はさまざまな種類のものが出回っているのですが、日本で多くの企業が採用しているものが、この「SPI」です。
SPIは、年間約14,400社が利用し、215万人もの就活生が受験しています。
上場、業界大手、商社、コンサルティングファームなど就活生から人気を得ている企業では、多くのエントリーが殺到し、採用担当者は選考に四苦八苦することになります。
そのため企業は、就活生をふるいにかける意味合いで、SPIを実施することもあるのです。
そういう意味では、SPIは内定のための第一関門と言っても過言ではありません。
それなのに多くの就活生がSPIを軽んじて対策を講じなかったばかりに、第一志望の企業、希望する業界にも入ることすらできず、後悔の念を抱きながら、社会人になっていっているという現実があるのです。
今からでも遅くはありませんので、SPI対策をして勝ち組になりませんか?
あきらめたくない方は、SPIの内容、性格検査、能力検査についてお伝えしていきますので、見ていきましょう!
SPIで実施される2つの検査
SPIは「性格検査」と「能力検査」に分かれます。
詳細はそれぞれ次項以降、解説していきます。
性格検査
SPIで実施されている「性格検査」では、物事や人、目標などについて、自分がどのような考え方を持っているかなどを選択していきます。
性格検査の問題は約300問、制限時間は30~40分ほどです。
企業は就活生の
- 生まれ持った性格
- 人とどう接するか
- 仕事に対してどう取り組むか
など、人柄を把握することが容易となります。
また自社の業務内容、社風にマッチしているか、入社後どの部署に配属すべきかなどの判断材料にします。
なかには自身をよく見せようと思い、敢えて意に沿わない内容の選択肢で回答しようとする方もいらっしゃるかもしれませんが、就職後、不利な配属決定をされないためにも自分自身の気持ちに従って、素直に回答することが望ましいです。
能力検査
SPIで実施されている「能力検査」は、「言語分野(国語)」「非言語分野(数学)」から成り立っています。すなわち
「言語力」
「計算力」
「論理的思考力」
「一般常識」
などが、どの程度身についているかを企業側は知りたいのです。またオプションを選び、
「英語」
「構造的把握力」
も追加して就活生の能力を見ている企業も少なくありませんが、レベル的には中学から高校で学ぶレベルの問いが出題されます。
たとえば「言語分野」は端的に言うと「国語」であり、 言葉の意味や話の要旨が理解できているかが問われます。
40問を30分程度で解くことを求められ、1問にかけることができる時間は1分以下です。「非言語分野」は、
- 図表
- 推論
などで高校数学I・Aがわかれば解けると思いますし、言語・非言語ともにすでに学習している範囲からの出題となり、公式や考え方自体を理解できていれば、カンタンに解けると思います。
決して難しい問いが立て続けに出題されているわけではありませんので、安心してくださいね。
大学受験をクリアしてきた方であれば、ここでSPIも過去問や、出題される問いの傾向を掴めば、高得点も夢ではなさそうと感じたのではないでしょうか?
お気づきのとおり、あきらめずに対策を行えば、SPIは決してハードルの高い試験ではありません。
ならばどのくらいSPI対策に時間を割けばいいのでしょうか?
次章で見ていきます。
【最低限のSPI対策】間に合わない人は〇〇時間で対策せよ!
もう試験が数日後に迫ってしまい、到底間に合わない、SPI対策をしてもムダと思い込んでいる方もいるでしょう。
しかし一般的にはSPI対策は最低30時間、高得点を得たい場合は倍の60時間以上の勉強をすべきと言われているという情報はご存知だったでしょうか?
企業から指定された受験日まであと10日なら1日3時間、あと5日なら1日6時間勉強すれば間に合うかもしれないのです。
それを踏まえての質問になるのですが、
- はなからあきらめて第一志望ではない他の会社に就職する
- すべての予定や約束をキャンセルして30時間のSPI対策
どちらを選びますか?
意を決して、後者「あきらめない!」を選んだ就活生のみなさんのために30時間でできるSPI対策方法を、ここからお伝えしていくことにします。
【最低限のSPI対策】30時間で何をすべきか把握せよ!
残り数日、わずか30時間ですから、勉強する範囲を限定します。
スグに問題集を購入して非言語の頻出問題を把握し、練習問題を繰り返し解くことを推奨したいです。
非言語は解き方がわからないと、かなり難解に感じ「捨て問」にしてしまいがちで得点の獲得につながりにくいため、解き方を確認し覚えるようにします。
言語分野はある程度、今お持ちの知識で解けると思いますので、時間を割くべきは非言語なのです。
間に合わないと思っていたけどスケジュールを見たらSPI対策に60時間は確保できそう、余裕があるという方は、非言語だけではなく言語の頻出問題にもトライしてみましょう。
- 二語の関係
- 語句の意味
- 語句の用法
は、ひととおり見ておくといいです。
知識の強化を行うことで、ライバルに差をつけられると思います。
そして実は「1カ月くらい時間の猶予があるよ」という方は、別のテストにも果敢にチャレンジしておくべきです。
- ペーパーテスト
- Webテスト
- 英検S-CBT
など、実際に会場やWebで受けることで、試験の流れや雰囲気をリアルにつかめ、予行練習ができます。
ここまで何をすべきかざっくりと説明してきましたが以下、非言語・言語の実際の問題を交え、詳細解説しておきますので、引き続き読み進めていただきたいです。
間に合わない方向けSPI対策(非言語分野)
「非言語分野」の対策で欠かせないのは、場合の数、確率、集合です。
確認していきましょう。
場合の数
「場合の数」は、設問の内容を的確に理解して「どのようなパターンが考えられるか」一定時間内で適切に導き出す判断能力が要求されています。
【問い】
男子7人、女子6人の中から掃除当番を2名選びたい。男子、女子それぞれ一人ずつを選ぶとき、何通りの人選が考えられるか? |
【答え】
男子、女子で掃除当番に選ばれる可能性は、それぞれ7通りと6通りです。したがって
7×6
で、42通りとなります。
このように出題形式がある程度決まっていることがわかっていますので、解き方を覚えておくことで解く時間の短縮につなげることができるでしょう。
確率
「確率」の設問が、苦手な就活生も多く、捨て問にしがちです。
SPI対策をされるなら逃げることなく最後まで理解できるように努めれば、ライバルに差をつけられる単元です。
なによりも確実に抑えれば、高得点も夢ではありません。
【問い】
袋にリンゴが3個、ミカンが6個入っています。ここから同時に2個の果物を無作為に取り出すとき、2個ともミカンとなる確率は? |
【答え】
- 2個のミカンを取り出す組み合わせの数…3C2(3×2/2×1)
- 起こりうるすべての組み合わせの数…6C2(6×5/2×1)
- よって、2個のミカンを取り出す確率は、3C2/6C2です。
約分して計算すると1/5となります。
集合
「集合」の設問では、いくつかの集団に関する数値(情報)が提示されますので、その情報をもとに分析して解答を導き出します。
【問い】
高校生300人のうち、
いました。またサッカーと野球ともに得意な人たちが50人いた場合、サッカーもしくは野球だけが得意なのは何人? A 270 B 200 C 220 D 270 E 230 |
【答え】
Cの220です。
- サッカーだけ得意な人…200-50=150人
- 野球だけ得意な人…120-50=70人
したがって、サッカーだけ、野球だけが得意な人の集団の数は
150+70=220人
となります。
パッと見、難しく感じるかもしれませんが、場合の数、確率、集合単元の設問を繰り返し解いて対策を行えば、本番でしっかりと得点を獲れるようになるでしょう。
間に合わない方向けSPI対策(言語分野)
先述したようにSPI対策の「言語分野」にも着手できそうな方は、
- 二語の関係
- 語句の意味
- 語句の用法
に絞って勉強をしておくようにしましょう。
二語の関係
「二語の関係」とは、あらかじめ設問で用意された言葉について、どのような関係性があるかを見抜く問題です。
よく出題されているのは、
- 同意語
- 反意語
- 包含
- 役割
- 原料
- 並列
- セット
といった関係性を有したものが多いです。
【問い】
最初に示した2つの語の関係を踏まえ、同じ関係性を持った組み合わせをA~Cより選びましょう。■カメラ:撮影A ドラム:バチB 電子レンジ:パソコン
C コピー機械:プリント |
【答え】
C
Aはセット、Bは家電の並列、Cは役割という関係性を持った二語となります。
このように落ち着いて取り組めば、今ある知識でそのまま得点につながるはずです。
語句の意味
「語句の意味」では、指定された言葉の同意語を選択します。
【問い】
【】の言葉と、意味が合致しているものをひとつ選びましょう。今期売上げがアップできるとは【断言】することができない。A. 進言B. 推定
C. 発言 D. 確言 E. 提言 |
【答え】
D
現役の大学生であれば、それぞれの漢字が持つ意味は、だいたいわかると思います。
各選択肢を当てはめて読んでみて、意味が通り、しっくりきたものを選択すれば間違えることはないと思いますが、念のため通学中の移動や空き時間で、ひととおり問題集に目を通して備えておくといいでしょう。
語句の用法
「語句の用法」では、漢字ではなく、ひらがなで表現されている助詞などの意味合いを考えて、答えを導き出します。
【問い】
【】で示した語句と同じ意味、用法の語句を選びましょう。電車【で】つい寝てしまった。A. 腹痛で早退するB. よく噛んで食べる
C. コンビニで買う D. 一人で暮らしている |
【答え】
C
選択肢Aは原因を、Bは動作を、Cは場所を、Dは範囲を説明しています。
設問の電車は明らかに場所を示した言葉であるため、答えは場所が書かれているコンビニの選択肢となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、間に合わないと思い込んでいる方に向けて、30時間でできるSPI対策についての解説でした。
SPIの受験が明日や明後日などで、対策が間に合わなかったとしても、
- 国語
- 数学
両方とも、もともと強ければ、SPIで高得点をマークできるかもしれませんが、そうでない方も最後まであきらめず「ダメでもともと」という精神で受けて、ベストを尽くすようにしましょう。
しかし残り数日で30時間(できることならそれ以上)確保できそうなら、すべての予定や約束をキャンセルしてでも、直前までSPI対策に取り組んで、後悔のない就職活動をしていただきたいです。