はじめに
選考の一環としてSPI3を実施する企業は多く、SPI3のために準備を進める就活生も多いでしょう。
しかし、SPI3が初めてでどんな対策をすればいいかわからない方や、そもそもSPI3についてよくわからない方もいるでしょう。
企業がSPI3を実施する目的は、就活生の性格や能力を評価し、自社で活躍できるか判断するためです。
簡単にいえば、就活生とマッチングしているか確かめるためにSPI3を行っているわけです。
特に就活生からの応募が殺到するような人気企業の場合、面接する前にSPI3である程度就活生を絞り込んでしまいます。
そのため、SPIは就活が本格的に始まる前から始めましょう。
本記事では、SPI3の役割や例題、対策の方法について解説していきます。
SPI3初心者でもわかりやすい内容なので、ぜひ最後までお読みください。
本書がSPI3対策の助けとなれば幸いです。
SPI3はどういうものか
SPI3は適正検査のことで、大きく分けて性格検査と能力検査に分かれています。
企業が自社に合わない就活生を誤って採用しないためにも、SPI3を実施して自社に合う就活生だけを残すのが狙いです。
SPI3の結果は企業にとって重要な選考基準になるわけです。
もちろんSPI3の結果ですべて選考が決まるわけではないですが、成績が良いほうがそれだけ志望企業に受かりやすくなります。
SPI3をもっと詳しくみていきましょう。
SPI3は言語、非言語、英語、構造的把握力、性格適性検査、5つが対象範囲です。
とはいえ、企業によってはこれらの中で含まない科目もあるため、絶対に5科目とは限りません。
事前に志望企業の方針を確認しておきましょう。
SPIとSPI3の違いは何?
SPIとSPI3という言葉があり、紛らわしいので混同する方も多いでしょう。
SPI3はあまり聞き慣れない方が多いでしょうが、SPIは就活生でなくても知っている方が多いはずです。
このSPIとSPI3は何が違うのか疑問に感じる方も多いはずです。
SPI3の3とは何かという話ですが、バージョンを表す数字です。
厳密にいうと、SPI3とSPIとは意味が異なります。
その違いを区別してみると、次のようになるでしょう。
- SPI…2005年までに存在した適性検査
- SPI3…2013年から実施している検査
つまり、存在していた時代によって呼び方が変わったということです。
実は内容はそう大きくは変わらないのですが、旧式・最新版の意味でもSPIとSPI3に呼び方を分けているのです。
早い話が、SPIが旧式、SPI3が最新版です。
現代はSPI3ですから、SPI3だけ対策すればいいでしょう。
問題集やテキストを選ぶ時も、SPI3と明記されたものを選んでください。
SPI3は難しくないって本当?
SPI3は一般教養なので、難しすぎる問題は出ません。
中学・高校レベルといわれています。
そのため猛烈に勉強する必要はないですが、それでもSPI3特有の問題傾向はあるため、過去問は解いておいたほうがいいでしょう。
計画性を持って勉強すれば、短期間で効率的にSPI3対策ができるはずです。
SPI3は問題自体は易しくても、制限時間が決まっているため時間に追われます。
問題数が多いため、時間配分を考えなければなりません。
SPI3に苦手意識を持つ方もいるでしょうが、しっかり対策すれば誰でも高得点が得られる可能性があります。
一般的には、全体の6割を正答すれば合格できるといわれています。
ですので、7〜8割を取るよう目指してください。
SPI3の試験範囲はどこからどこまでか?
SPI3対策をするにあたっては、SPI3に含まれる範囲を正しく把握している必要があります。
でなければ的外れな勉強をしてしまい、時間を無駄にしてしまうでしょう。
SPI3の問題範囲は、基本的には言語・非言語・英語・構造的把握力・性格適性検査です。
一つずつみていきましょう。
- 言語…中学で受けたような国語の問題が主です。二語の関係や語句の意味・用法などが出題されます。30分で約40問解くことになります。
- 非言語…数学の問題です。計算問題以外にも、推論・金額計算・場合の数など文章題も出題されます。30分で30問解くイメージでいましょう。
- 英語…同意語・反意語・長文読解などが範囲に含まれるため、英単語力は必須です。30分で30問解けるようにしておきましょう。
- 構造的把握…物事の背景にある共通性や関係性を探る問題です。論理的思考が求められます。20分で20問くらいです。
- 性格検査…正解・不正解を答える問題ではなく、アンケート形式で自分の価値観や行動パターンについて回答していきます。40分で300問近く回答することになるでしょう。
そもそもなぜ企業はSPI3を導入するのか?
勉強が苦手な就活生にとっては、SPI3はネックでしょう。
企業がSPI3なんて導入しなければいいのにと思うでしょうが、企業も目的があってSPI3を導入しています。
SPI3対策をする上では、企業が何のためにSPI3を実施するのか理解しておくことも重要です。
応募に来た就活生が求める人材なのかを確かめるため
選考には書類選考や面接が含まれますが、それだけでは企業は就活生のことを十分に把握できません。
どれくらいの実力があり、どのような性格で、本当に将来自社で活躍してくれそうかというのは、履歴書や面接からだけでは見えてこないのです。
もちろんそれらも参考にはなりますが、もっと手がかりがあったほうがよりふさわしい人材を選べると考えています。
だから選考の一部として、SPI3を取り入れているのです。
就活生が本当に自社にふさわしい人材か判断するのに役立ちます。
合格基準に達しているかどうか、足切りの意味でもSPI3は有用なのです。
試験結果の分析で志望者の特徴が分かる
企業は、今後自社で活躍してくれる人材を求めています。
せっかく採用されても、すぐ辞められては困ります。
また、ミスマッチで合わない人材を抱えることになるのも避けたいと考えています。
企業にとって、長く勤めてもらい、会社に貢献してもらうことが大事です。
だからSPI3を導入しています。
企業にとって損につながるようなことは避けたいのです。
入社後の人材配置を効果的にするため
SPI3の結果は採用選考の時だけ有効なわけではありません。
入社後も活用されることがあります。
例えば配属先を決める時です。
新卒者の能力に合わない部署に配属してしまっては、新卒者も大変ですし、企業にとっても不利益です。
やはり本人の適性に合ったところに配属するのが企業としても一番だと考えます。
能力を思う存分発揮して活躍してもらえるからです。
配属先を考える際に、SPI3の結果は非常に良い判断材料になります。
例えば数学の問題が得意な新卒者であれば、経理に配属したらスキルを発揮してくれそうなどと、将来を見据えて配属できますよね。
SPI3の問題はこんな感じ!例題をみてみよう
ここでは、SPI3の問題や解説を紹介しています。
実際にチャレンジすれば、どのくらい難しいか、自分のレベルがどのくらいかわかるでしょう。
また、間違ったところは自分の弱点だと認識することもできます。
言語
出題内容:二語の関係・語句の意味・語句の用法・空欄補充・文の並べ替え・長文読解
「例題」 二語の関係
演説:マイクロフォン
視聴:( )
選択肢:
A.テレビ
B.ラジオ
C.楽器
D.ヘッドフォン
E.スピーカー
解答・解説:
A
演説にはマイクロフォンが用いられる。同様に視聴にはテレビなどの視聴器具が用いられる。
非言語
出題内容:推論・場合の数・確率・集合・速度算・表の読み取り・金額計算・割合・分担計算
「例題」 推論
▽問題
X、Y、Z、V、Wの5チームがラグビーのリーグ戦をおこなった。結果について以下のことがわかった。
Ⅰ ZはWにだけ勝った。
Ⅱ Wは3勝1敗であった。
Ⅲ YはXに勝った
すべての勝敗が確定をするためには、Ⅰ〜Ⅲとは別に、次のア、イ、ウのうち最低限どれが加わればよいか。AからHで1つ選びなさい。なお、引き分けはないものとする。
ア Vは3勝1敗であった。
イ 全勝のチームはいなかった。
ウ 全敗のチームはいなかった。
A.アだけ
B.イだけ
C.ウだけ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.アとイとウ
H.正しい推論はない
◎解答
正解:A
IからIIIを踏まえた状況を示した以下の勝ち負け表を参照する。
X |
Y |
Z |
V |
W |
|
X |
⚫️ |
○ |
① |
⚫️ |
|
Y |
○ |
○ |
② |
⚫️ |
|
Z |
⚫️ |
⚫️ |
⚫️ |
○ |
|
V |
① |
② |
○ |
⚫️ |
|
W |
○ |
○ |
⚫️ |
○ |
ア Vは3勝1敗であった。 ←①も②も勝敗が確定する。
イ 全勝のチームはいなかった ←問題文の情報からすでにわかっている。
ウ 全敗のチームはいなかった。←問題文の情報からすでにわかっている。
したがってアだけ判明すれば、全勝敗が確定するため、正解はAとなる。
性格適性検査
「例題」
自分に最も近いものと、最も遠いものを選択してください。
・一人でいるのが好きだ
・初対面が相手でも人見知りしない
・グループでリーダーになって場を仕切る機会が多々ある
・すぐに緊張してしまう
SPI3を突破するための対策法はこれ!
SPI3の対策は大事とはいえ、どのように対策したらいいかわからないことには動けません。
ここでは、SPI3を突破するための効果的な勉強法を紹介します。
ぜひ攻略してください。
問題集は1冊だけで十分!
多くの問題集を買って手をつけないでください。
何冊にも手をつけるより、1冊を重点的に勉強したほうが力になります。
1冊を何周もするのがおすすめです。
これを知っておくだけでも周りと差をつけられます。
広く浅く多くの問題集に取り組んでいると、すべてが中途半端になる恐れがあるのです。
しかし1冊のみを重点的に学んで完璧にすれば、深い知識やスキルが定着します。
広く浅くよりも、狭く深くをおすすめします。
もし1冊を早々に完璧に仕上げてしまったら2冊目を使ってもいいですが、完璧にする前にほかの問題集に手を出すのはおすすめしません。
苦手分野は繰り返し解く
得意分野を伸ばすのもいいですが、もっと総合的に点数が伸びるのは苦手な部分をつぶすことです。
苦手な分野を克服すれば、点数はより高く伸びるでしょう。
ですから、効率的に勉強するなら弱点を克服してください。
そのために必要なことは、とにかく弱いところを何度も反復して練習することです。
間違った問題を何度も解くのも力になるでしょう。
回答を覚える必要はありません。
解き方や解答方法を理解するまで反復することが大事です。
すでに深く理解し、何度も正解している問題なら繰り返す必要はありません。
苦手な部分が見つかったら、正解するまで繰り返し解きましょう。
その際に大事なのは、解き方を学ぶことです。
解き方を定着させれば、ほかの問題にも応用がきくようになります。
SPI3対策を始めるなら大学3年冬からがおすすめ
SPI3対策を始めるベストな時期についてはいろいろな意見がありますが、ここでは大学3年が終わる前にスタートすることをおすすめします。
大学3年が過ぎる前にスタートすれば、本格的に就活が始まる前にSPI3の対策が完成してきます。
就活はSPI3以外にもしなければいけないことがたくさんあります。
本格始動してからSPI3対策を始めてしまうと、ほかの就活の要素との兼ね合いで十分な時間がとれない可能性があります。
勉強が中途半端になってはしっかりした対策ができないでしょう。
もっと前から始めておけばよかったと後悔する前に、ぜひ大学3年生が終わるまでにスタートしてください。
早く始めるほどライバルと差をつけられます。
対策にかける時間は50時間が目安
SPI3対策のためにトータルでどれくらい時間をかければいいかと疑問の方もいるでしょう。
結論からいうと、トータルで50時間はとりたいところです。
仮に一日1時間半勉強したら、一か月程度で50時間に達します。
単純にいえば1か月で対策が終わるでしょう。
とはいえ、毎日同じくらい勉強時間が確保できるとは限りません。
そのため、上記の時間はあくまで目安として認識してください。
大学3年生の冬休みから対策を始め、できることなら一日1時間から1時間半勉強しましょう。
まとめ
SPI3対策に問題集を使うのは効果的です。
問題集にはたいてい例題が出ているので、ぜひご活用して本番をイメージしながら解いてください。
SPI3の内容は決して難解ではないですが、対策しとかなければ解けないような問題も多いです。
絶対に合格したいなら、ぜひ本記事で紹介したアドバイスを参考に、しっかり対策してくださいね。
しっかり対策をすれば合格が期待できます。