はじめに
SPIは就活生が通る道として知られています。
企業はSPIを導入しなければならないわけではなく、任意です。
しかし任意とはいえ、実際は選考でSPIを導入する企業は多く、15,500社以上にも上ります。
志望する企業がSPIを実施している場合は、受検しなければなりません。
受検にあたっては対策も必要です。
では、どのように対策していけばいいでしょうか。
ここでは、SPIについてあまり知識のない就活生をターゲットに、SPIの概要や対策法について詳しく説明していきます。
SPIの概要
SPIは適性検査とも呼ばれており、開発したのはリクルートマネジメントソリューションズ社です。
年間の受検者数は217万人以上に上り、最も多くの企業が採用している適性検査といわれます。
SPIという呼び名で通っていますが、正式には現代のSPIはSPI3といっています。
ですので、厳密にいうと現代ではSPIをSPI3といいます。
もちろんSPIといっても意味は通じますが、SPI3のほうが最新版を示しています。
SPIは採用活動においてはもちろんですが、入社後の人材開発やマネジメントにも利用される場合があります。
SPIの結果は企業にとって大事なデータであり、資料です。
志望する企業がSPIを実施する場合は、対策を怠らずに入念に準備しておきましょう。
企業はなぜSPIを使うのか?
わざわざSPI試験なんてしなくてもいいじゃないかと考える方もいるでしょう。
しかし、企業がSPIを導入するのには理由があります。
それは主に次の3つです。
- 就活生の性格や強み把握しておきたいから
- 相性が不一致していないか確かめるため
- 採用後の配置先を考えるため
それでは、一つずつみていきましょう。
就活生の性格や強みを把握しておきたいから
企業はSPIで、データとして就活生の特性や強みを把握することができます。
企業にとっては、その就活生が選考基準に合っているか確認するために役立つ資料となります。
SPIの性格検査の結果、社風に合う、活躍や貢献をしてくれそうなどと評価すれば、採用sらえる可能性が高まります。
もちろん性格検査がすべてではないですが、適切な人材を入れるためにも、企業は個人の性格や強みを把握しておきたいのです。
SPIの中の性格検査はミスマッチを防ぎ、本当に相性のいい就活生だけを採用するために役立つでしょう。
それだけでなく、入社後の部署配属の際にも役立つ資料となります。
ミスマッチを減らして会社のダメージを防ぐため
せっかく採用しても、すぐ辞められてしまっては企業としてはダメージです。
また、入社後にミスマッチな人材だと判明してももう遅く、ミスマッチした人材を育成するためにコストがかかるでしょう。
だから企業としては、あからじめコストがかからず、貢献してくれそうな相性のいい人材を把握しておきたいのです。
そうすれば入社後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができ、双方にとってメリットです。
無駄なコストを費やす必要はありません。
人材教育にも時間や労力がかかるため、企業としては手のかからない自社の雰囲気に合った人材を確保しておきたいのです。
そのために事前にSPIを実施し、マッチしている就活生とマッチしていない就活生をふるい分けています。
コスト削減はどの企業も考えていることです。
会社としては無駄なコストをかけないに越したことはありません。
新入社員によっては、たった数日や数か月で退社を希望する方もいます。
企業としては、せっかく新人に教育費を支払ったのに無駄になってしまうわけです。
こうしたリスクを避けるためにも、SPIを実施しているわけですね。
内定後に適切な部署に配属するため
内定が決まった後、本人の適性とまったく違う部署に配属してしまったら、本来持っている力を発揮してもらえない可能性があります。
教育の手間がかかり、コストがかさむ可能性があります。
反対に、本人の適性とマッチした部署に配属すれば、大いに活躍してもらえるだろうと企業は考えるわけです。
そのため、SPIのデータを入社後の部署配属に用いる企業も多いです。
適性を考えてより良い部署に配属するためです。
そうすれば本人は適性を発揮できて働きやすいですし、企業も貢献してもらえるのでウィンウィンです。
新入社員のためにも、適性に合った気持ち良く働ける環境を用意することも、企業の使命の一つです。
SPIにはどんな問題が出題される?
SPI試験は、大きく分けて能力検査と性格検査の2つに分かれています。
- 能力検査
- 性格検査
それでは、それぞれについて詳しくみていきます。
能力検査
一般常識や論理思考力を持っているかが問われるテストです。
言語の問題と非言語の問題に分かれており、言語では国語、非言語では数学の問題が主に扱われています。
企業によっては英語や構造的把握力の問題を出題するところもあります。
どの科目も中学~高校のレベルなので、特別難しい内容ではないでしょう。
しかし、学習した範囲を忘れていることも考えられるため、やはり対策が必要です。
いくら昔学校で勉強がよくできたからといっても、年月がたつと忘れている知識も多いはずなので、復習の意味でも対策しておきましょう。
性格検査
性格検査は約300問出題され、自分について30〜40分で回答することになります。
企業は性格検査のデータをもとに、社風に合っているか、入社後はどの部署に配属させようかと検討することがあります。
面接の資料にすることもあるでしょう。
心象をよくしようとして嘘をついて答えてはいけません。
嘘がばれたらかえって心象を悪くしますし、矛盾したデータが出来上がってしまいます。
それでは企業も適切な判断ができません。
性格検査は正解がないため、自分に忠実に答えてください。
SPI試験の各分野と概要、対策法
SPIはさまざまな分野で構成されており、出題範囲が広いです。
ここでは、代表的なセクションについてそれぞれ解説していきます。
言語能力
言語能力では読解問題が頻出します。
読み物が苦手な方は、日頃から新聞や書籍を読んで活字に慣れておきましょう。
語句の意味や文法の問題もあります。
文法の一般的なルールや、基本的な語句の意味や用法を頭に入れておきましょう。
数学問題
非言語のセクションでは、数学の問題が出てきます。
例えば推論や集合、四則計算や比率、割合、方程式です。
公式を使えば解ける問題も多いですが、公式を一切使わない表の読み取りの問題も出てきます。
空間認識も必要なので、図形も復習しておくといいでしょう。
推理力
推理力が問われるセクションもあります。
ここでは図形や数列のパターンを見つけ、論理的な結論を導かなければなりません。
中学~高校の学習範囲がカバーできていれば解ける問題がほとんどです。
とはいえ、SPIでは独特な問題が出題されることもあるので、一度過去問に挑戦しておいたほうがいいでしょう。
適性
性格検査では、あなたの資質や適性が測定されます。
企業は内定後の配置先を検討する意味でも、性格検査のデータを求めています。
問題ではないので解法は特にないですが、自分の特性を企業にアピールするつもりで回答しましょう。
もちろん嘘はいけないので、素直に答えてくださいね。
SPI試験の受検方法
SPIを受検するといっても、その方法は主に4つのパターンに分かれています。
どれでも好きなものでいいわけではなく、志望する企業が定めたやり方で受けなければなりません。
- パソコンで受験
- テストセンターで受験
- ペーパーテスト
- インハウスCBT
それでは一つずつみていきましょう。
パソコンで受験する
現代では、SPIをパソコンで受検するのが主流です。
Webテスティングといって、おうちでもSPIの本試験に取り組めます。
志望する企業から送られてきたURLにアクセスし、期限内に受検します。
Web上でのテストになるため、インターネット環境は必須です。
途中でバッテリーが切れてしまうことがないように注意しましょう。
採点結果は受検後すぐにダウンロードして確かめることができます。
テストセンターでの受検
テストセンターへ行ってSPI試験を受けることもできます。
この時もパソコンを使って受けることになります。
パソコンはあらかじめ用意されているので、自分のパソコンがなくても問題ありません。
ピークの時は臨時会場ができるほど混みあいます。
テストセンターは全国7都市に存在しており、その7都市とは以下の通りです。
- 東京
- 大阪
- 名古屋
- 札幌
- 仙台
- 広島
- 福岡
テストを受けるところとして存在している施設なので、セキュリティもしっかりしています。
しかも一年以内の結果でしたら、他の企業での選考にも活用できます。
結果を使い回せるので、志望企業が変わるたびに何度もSPIを受ける必要がありません。
詳細についてはリクルートのホームページからも確認できるでしょう。
参照:株式会社リクルート
ペーパーテスト形式
ペーパーテスト形式は、要するに筆記試験です。
従来の試験形式では、パソコンを使わず紙ベースで受検します。
会場は決まっており、現地へ行って机上でマークシート方式で解答していきます。
能力検査は70分、性格検査30分の計100分です。
手書きでテストを受けたい方に向いています。
インハウスCBT
インハウスCBTは、志望する企業が用意した会場やパソコンを使って受ける方法です。
自社で行うことからも、企業はセキュリティを確保できますし、すべて組織内で完結し、外部に委託する手間がないのがメリットです。
ただ、この方式を採用している企業はごくわずかです。
企業によっては、SPIの試験日と同日に面接も兼ねるところもあります。
その場合は一日で2つの選考が済むので効率的といえるでしょう。
SPI試験に役立つ勉強とは?
SPIの対策をしても意味がないと考えないでください。
意味は大いにあります。
入念にSPI対策をして高得点をとれば、ライバルと差をつけて企業にアピールできます。
SPIの対策としてポイントを挙げると、以下のようになります。
- 受検方法や形式を確認する
- 対策アプリや問題集でSPIの免疫をつけておく
- 模擬試験を受ける
- 問題集1冊を完璧にする
- 苦手な問題を繰り返し解く
- 時間意識を持ちながら解く
それでは一つずつみていきましょう。
受検方法や形式を確認しておこう
SPIはリクルートが開発した試験です。
中学・高校でもテストはあったでしょうが、学校で受けるテストとSPIのテストは雰囲気も出題傾向も異なります。
受検方法や形式など、まずはSPIの基本的なことを頭に入れておきましょう。
学校のテストと同じ感覚でいると、当日戸惑ってしまいます。
対策アプリや問題集でSPIの免疫をつけておく
SPIの問題に慣れておくことが大切です。
SPIは、企業が自社にふさわしい人材を見極めるために導入されています。
ですから、一定の基準に満たないと足切りに遭う可能性があるのです。
といっても、企業が求める一定の基準が公表されることは稀です。
そのため受検者はどこの基準まで目指せばいいかわかりにくいですが、高得点を目指せば間違いないでしょう。
どの企業のSPIを受検するにしても、高得点をとって損することはありません。
高得点をとるためにも、本番で緊張せず自信を持って取り組めるように免疫をつけておきましょう。
免疫をつけるためには、SPIの問題にできる限り多く触れることです。
問題集はもちろんですが、アプリも使って問題をいっぱい解いてみましょう。
SPIの問題を解くことが対策になります。
SPIの問題傾向に慣れることもでき、免疫がついてくるでしょう。
問題に慣れておけば、当日慌てることはありません。
これまで解いてきた問題と同じような問題ばかりに見え、精神的にも余裕ができるはずです。
特に数学では頻出問題が必ずあるため、問題の傾向を把握しておくと有利です。
頻出する問題は何度も反復して解いていれば本番でも解きやすく、得点を得やすいでしょう。
模擬試験を受ける
企業によってはSPIの模擬試験を公開しています。
そのような情報を手掛かりに、実際に模擬試験を受けてみることをおすすめします。
本番の気分で受検しておくことは、本番に慣れるためにも大切です。
どの分野が弱点かを知るのにも役立つでしょう。
また、時間意識を持って取り組む練習にもなります。
1冊の問題集を完璧にする
1冊の問題集を完璧にしましょう。
数多くの問題集に取り組む必要はありません。
1冊を徹底的にこなせば、ほかの問題集を解かなくても十分な対策ができる可能性があります。
1冊の問題集を完璧にするためには、同じ問題を反復する必要もあります。
反復している過程でどんどん力がついてくるでしょう。
SPIの問題に強くなれます。
まとめ
SPIは多くの企業が採用している適性検査です。
受検者の性格や適性を評価することができ、一般教養問題もあるので知的能力も測定できます。
SPIの問題は中学から高校レベルのもので構成されており、問題集を反復して解くことで対策できるでしょう。
問題解決能力や推理力を試す問題では、解答方法よりも思考が重視されます。
したがって、単に解法を暗記するのではなく、問題に対する正しい考え方を身につけましょう。
ただし、企業が求める基準は明確にはわかりません。
できる限り上を目指して対策しましょう。
本番でリラックスして臨むためにも、模擬試験に挑戦して本番さながらの状況で受けてみましょう。