はじめに

SPIでは言語問題、非言語問題に加え、英語を出題する企業が存在します。

商社や広告関係の企業では毎年、SPIに英語が出題されると言われているため、自分が受検する企業がグローバルに特化した業界であれば英語の対策が必要でしょう。

SPI英語は中学、高校レベルが出題されるので高度な知識は必要ありません。

しかし、日常的に英語を使う機会が少ない日本では、急に英語の問題を解けと言われても回答するのは難しいです。

中でも英訳は提示された文章から選択肢まですべて英語で出題されており、英語の知識がある程度ないと解くのは困難でしょう。

ここでは英訳の練習問題を実際に紹介し、対策のコツまで解説します。

 

SPIの『英訳』とは?

SPIの英訳は一定の長さの説明文が提示され、その説明文に一番近い意味を持つ単語を選択肢から選択する問題です。

つまり、説明文を翻訳する能力に加え、選択肢の単語の意味も理解している必要があります。

SPIでは和文英訳も出題されることがありますが、和文英訳は提示された文章が日本語で選択肢は英語です。

英訳との違いは文章が日本語であり、英語に翻訳して回答する点です。

英訳は英文と単語を結びつける問題が中心なので、和訳とは少し異なります。

単語の意味さえ理解できれば、英訳の方が解きやすいでしょう。

 

問題例と解説

実際に問題例を見て、英訳がどのような問題なのかを確認していきましょう。

 

例題1

次の説明文と意味が最も近い単語を、選択肢より選びなさい。a long passage between rows of seats in a church, plane, theater etc, or between rows of shelves in a shop

A.aisle

B.behalf

C.candidate

D.critic

E.garment

 

答え:A教会、飛行機、劇場などの座席の列の間、または店の棚の列の間の長い通路

A.通路

B.に代わって

C.候補者

D.評論家

E.衣服

 

提示された英文を読み、選択肢から近い単語を選びます。

例題のように選択肢がまったく異なる単語ばかりの時もあれば、類似した単語ばかりの時もあります。

例文の中では”theater”や”shop”などが分かりやすい単語です。

映画館や店から衣服を連想するケースがあります。

しかし、”between”があるため”~の間”という言葉が連想可能です。

映画館、店はあくまで単語なだけであり、その間にある道を示しています。

単語のみに惑わされず、文章全体から意味を理解する必要があるでしょう。

 

例題2

次の説明文と意味が最も近い単語を、選択肢より選びなさい。one of the stages of a process of development or change

A.workforce

B.commuter

C.expertise

D.overview

E.phase

 

答え:E発展または変化のプロセスの段階の 1 つ

A.労働力

B.通勤者

C.専門知識

D.概要

E.フェーズ

 

こちらは”staeges”や”process”、”change”など単体で見たら分かる単語も見受けられます。

しかし、単語だけを並べても何を指しているかは分かりづらいでしょう。

“one of~”を”~のひとつ”のように文法がある程度解けないと、回答に苦労する問題もあります。

提示された文の中には前置詞である”of”が3つも登場しています。

英語でよく使われそうな単語や文法を身につける必要があるでしょう。

 

例題3

次の説明文と意味が最も近い単語を、選択肢より選びなさい。the main building or offices used by a large company or organization

A.preference

B.headquarters

C.prescription

D.leadership

E.margin

 

答え:B大企業や組織が使用する本館またはオフィス

A.好み

B.本社

C.処方箋

D.リーダーシップ

E.マージン

 

こちらの問題は”building”や”offices”、”company”など会社に関係する単語が多く散りばめられているため、選択肢の本社を連想しやすいでしょう。

こういった問題によくあるのは、提示された文の翻訳は難しくない代わりに選択肢の単語が理解できず回答に詰まるパターンです。

“leadership”は他の選択肢と比べると分かりやすいため、ついDを選んでしまいそうになりますが、冷静に選択肢を見極める必要があります。

 

対策のポイント

問題例を見たところで、英訳の対策を解説していきます。

問題例でも少しお伝えした内容を元に対策方法を紹介するので、英訳対策に役立ててください。

 

単語・文法を覚える

英訳は提示された文から選択肢に至るまですべて英語で出題されます。

そのため、英単語が分からないと解くのは困難でしょう。

単語を覚えることは英訳だけなく、他の科目の対策にもつながります。

反対に他の科目の対策で単語を覚えていけば、自ずと英訳の対策にもなるでしょう。

英訳では文法を使う箇所も多く出てくるため、単語を一定数覚えたら文法も覚えていくのをおすすめします。

毎日少しずつ単語、文法を覚えていくだけでも解きやすくなるでしょう。

 

分からない単語は周りの単語から推測する

問題文や選択肢の中には、どうしても分からない単語が登場することもあるでしょう。

そんな時は周りの分かる単語から文章を把握してみましょう。

一部の単語から文全体が何を伝えたいのか、ある程度の予想が可能です。

1つの単語が分からないからといって、問題自体を諦める必要はありません。

前述した例題の中でも分かる単語がいくつかあったのであれば、そこから回答を絞り込むことはできるでしょう。

 

品詞・主語・述語を把握する

英語は主語や述語の形で品詞も変わります。

品詞とは名詞や形容詞、動詞、助動詞、副詞などの単語を表しています。

英語の品詞や主語の関係はSPIの問題でも一定の確率で見かけるため、対策しておく必要があるでしょう。

中学で習うレベルの範囲なので、復習のつもりで勉強していきましょう。

 

日頃から英語に触れる

英語の問題を解くには、英語への抵抗感をなくすことも重要です。

英語に慣れていなければ読み解くのも難しい他、回答に時間もかかるでしょう。

日頃の対策として英語のニュースを読んでみる、SNSを英語で記載してみる、英語の歌を聞いてみるなど些細なことからでもいいので、英語に触れ合う機会を増やしていきましょう。

もちろん、英語の勉強の方が重要なので英語の触れ合いにばかり労力をかける必要はありません。

日常に少しずつ英語を置き、英語を身近に置く意識を持ってみてください。

対策する時はもちろん、試験でも英語に抵抗なく解き始められるでしょう。

例題を解く

英訳006
次の説明文と意味が最も近い単語を、選択肢より選びなさい。

The act of deliberately avoiding the use of a particular word or phrase.

例題:

A: Euphemism

B: Jargon

C: Cliché

D: Rhetoric

E: Ambiguity

解説を詳しく見る

特定の単語やフレーズの使用を意図的に避ける行為。

A: 婉曲表現
B: 専門用語
C: 決まり文句
D: レトリック
E: 曖昧さ

解説を詳しく見る

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英訳005
次の説明文と意味が最も近い単語を、選択肢より選びなさい。

A state of complete physical, mental, and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

例題:

A: Wellness

B: Fitness

C: Sickness

D: Tranquility

E: Normalcy

解説を詳しく見る

単に病気や虚弱がないというだけでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態。

A: ウェルネス
B: フィットネス
C: 病気
D: 静けさ
E: 正常

解説を詳しく見る

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