SPIの空欄補充の特徴

SPIの言語分野の一つである「空欄補充」では、文章が完成するよう適切な語句や文章を選択肢の中から選択したり、並べ替えたりします。

比較的短い文章なので、問題全体に目を通すことや内容把握にそこまで時間は要しません。

文章のレベルもそこまで高くなく、長文読解などのように内容を理解する必要もありません。

文章の流れがスムーズで前後の文章がきちんと繋がっていれば良いので、内容に関する知識や理解が求められないことが特徴とも言えます。

品詞や接続詞の役割を少し思い出しておくと、選択肢を絞ることができ、正解に近付けることができるでしょう。

この分野では、なるべく時間をかけずに正解を選択して得点を積み重ねるようにしましょう。

 

空欄補充の問題

 

それでは、空欄補充とはどのような問題なのか。

例題と解説をみてみましょう。

例題1

文中の空欄に入る最も適切な組み合わせはどれか選択肢A〜Eの中から1つ選びなさい。

世界各地で異なる( 1 )が存在し、それぞれ独自の( 2 )を持っている。たとえば、日本の( 1 )は四季折々の変化が特徴的で、それに関連する( 2 )は豊かな色彩を表現している。【選択肢】A. (1)文化  (2)風習

B. (1)言語  (2)芸術

C. (1)風景  (2)料理

D. (1)自然  (2)建築

E. (1)音楽  (2)伝統

 

【解答・解説】答え:A文中の「世界各地で異なる」「独自の」というフレーズから、地域ごとの特徴を表す適切な漢字を選ぶ必要があります。選択肢の中で「文化」と「風習」は、地域ごとの独自性や特色を表現するのに適した単語です。

他の選択肢も地域の特徴を表す単語ですが、文脈において「文化」と「風習」が最も自然に当てはまります。

 

例題2

文中の空欄に入る最も適切な組み合わせはどれか選択肢A〜Eの中から1つ選びなさい。

現代社会では、多様な( 1 )が急速に進化しており、これにより人々の( 2 )も大きく変化している。例えば、デジタル化の進展は、( 1 )の発展に寄与し、日常生活における( 2 )の変容をもたらしている。【選択肢】A. (1)経済   (2)文化

B. (1)技術   (2)生活様式

C. (1)教育   (2)環境

D. (1)交通   (2)伝統

E. (1)建築   (2)通信

 

【解答・解説】答え:B文中の「現代社会では」「急速に進化」というフレーズから、現代の変化に関連する適切な漢字を選ぶ必要があります。

「技術」と「生活様式」は、現代社会の進化と日常生活の変化を表すのに適した単語です

 

対策のポイント

「空欄補充」の対策ポイントを解説していきます。

繰り返し演習を行うことが重要となりますが、その際に下記のようなコツを意識して取り組んでみてください。

いかに短い時間で正解を導き出すかが重要となります。

次以降の問題に繋げるためにもあまり時間をかけず、解答をしていきたい単元です。

 

①カッコの前後の繋がりを意識する

空欄補充では、比較的短い文章にマッチした単語や文章を選択することとなります。

基本的には、カッコの前後の内容の繋がりを考えるようにしましょう。

特にカッコの前にある形容詞や副詞と明らかに繋がらない単語などは選択肢から省くようにしましょう。

例題のように(1)・(2)と両方の答えが正しいものを選択する場合は、どちらかの選択肢で明らかに異なるものを確認すると、2つ程度省くことができ、選択肢が絞られます。

品詞や接続詞の役割を復習しておくことも効果的ですが、シンプルに文章を読み上げた際に文章が繋がっているかということに着目してみてください。

 

②語彙力を上げる

空欄補充では、文章の内容から適切な語句を選択することが求められます。

そのため、選択肢の語句の意味を理解している必要があります。

さまざまな問題に触れ、意味や使い方が分からない語句があれば、都度調べて語彙力を上げるようにしてみましょう。

これは空欄補充のみならず、他の言語分野の対策にもなります。

また、何度も読み直さず、なるべく1〜2回読めば答えを選択できるくらいのスピード感を意識してみてください。

時間意識を持って繰り返し演習してみましょう。

例題を解く

空欄補充011
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。

ところで覆面というのは、自分の顔を覆って、( 1 )を隠したまま、他者を見るための装具である。私を他者の視線から遮る一枚の布によって、その布の両側にいる二人の人間が、見るが見られない人と、見られるが見返せない人とに分割される。覆面越しに見られた人は、見る人の( 2 )を確認できても、それが誰であるかを突き止めることはできないのだ。

例題:

A. 1.名前 2.性別 

B. 1.目  2.性別

C. 1.目  2.声

D. 1.素性 2.声

E. 1.素性 2.存在

F. 1.名前 2.存在

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名前はどこにも登場しない。覆面はむしろ視界は確保する必要があるため、目を覆うことは不可能である。また、覆面越しに見られた人は、顔はわからなくとも、そこに人がいるということは認知できる。

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空欄補充010
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。

これだけ苦労しても、書いた文章に言葉の( 1 )はまだあるもので、それを削る。単語に関していえば、( 2 )になりがちな語の筆頭は形容詞と( 2 )、とくに( 2 )で、中でも「たいへん」とか「非常に」とかいうのは、ほとんどの場合捨てることができる。こうして言葉を削って、このことについてこれだけの字数で言うにはこう書くほかは書きようがない、というところまでもっていく、つまり抜き差しならぬ文章を仕上げる。

例題:

A. 1.むだ  2.形容動詞

B. 1.むだ  2.副詞

C. 1.間違い 2.助動詞

D. 1.間違い 2.副詞

E. 1.誤用  2.助動詞

F. 1.誤用  2.形容動詞

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間違いや誤用であれば「訂正」や「修正」になるのであって、削ることはない。また、「たいへん」や「非常に」は動詞を修飾するので副詞である。

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